
ハイブリッドシステムの普及やさまざまな燃費向上技術によって、最近の車は一度の給油で長い距離を走れるようになりました。しかし、ガス欠から解放されたわけではありません。JAFによると、2018年度に発生した出動のうち、救援理由が「燃料切れ(ガス欠)」による救援要請件数は、一般道路では全体の7位(5万2543件)、高速道路では全体の2位(9080件)となっています。かなり多いと言えます。では実際に残り燃料がゼロになったらどうなるのでしょうか。
●「燃料残量警告灯」は、おおよそ50km程度は走れるレベルで点灯
「燃料残量警告灯」は、国産車の場合おおよそ50km程度は走れるレベルで点灯することが多いそう...
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ハイブリッドシステムの普及やさまざまな燃費向上技術によって、最近の車は一度の給油で長い距離を走れるようになりました。しかし、ガス欠から解放されたわけではありません。JAFによると、2018年度に発生した出動のうち、救援理由が「燃料切れ(ガス欠)」による救援要請件数は、一般道路では全体の7位(5万2543件)、高速道路では全体の2位(9080件)となっています。かなり多いと言えます。では実際に残り燃料がゼロになったらどうなるのでしょうか。
●「燃料残量警告灯」は、おおよそ50km程度は走れるレベルで点灯
「燃料残量警告灯」は、国産車の場合おおよそ50km程度は走れるレベルで点灯することが多いそうです。例えば燃費が10km/Lの車であれば、だいたい残量5Lくらいになったら点灯すると考えていいでしょう。これは道路公団が管理していた高速道路のガソリンスタンドが、約50kmごとに設置されていたからということが根拠のようです。しかし、民営化された現代では100km以上ガソリンスタンドがない空白エリアも60数カ所(2016年時点)とされています。ガソリンスタンドは経営がうまくいなければ撤退してしまうので、状況は随時変わっています。給油は日頃から意識しておいたほうが良さそうです。
●渋滞は要注意
渋滞にはまると燃費は一気に悪くなります。特に「燃料残量警告灯」が点灯してから長い渋滞にはまると、リスクはだいぶ高くなります。ただしこの時やってはいけないことは、下り坂でエンジンを止めること。燃料消費は抑えられますが、ブレーキの倍力装置が働かなくなったり、ステアリングがロックされたりする危険があります。エアコンはエンジンの力を使っているので、オフにした方が燃料消費量を減らすことができます。一方、エアコンのファンだけであれば電気だけで動くので問題ありません。またナビやオーディオも電気系統のみなので大丈夫。また、最近の車は始動時に燃料を多く消費することもないようなので、停止してから再始動する分にも問題はなさそうです。
●ガス欠になったら
高速道路上でガス欠になった場合、JAFなどのロードサービスに緊急要請するのが一般的です。また、自動車保険に「ガソリン配達無料サービス」といったロードサービスが付帯している場合もあります。保険をよく確認しましょう。JAFに救援要請した場合、会員であれば実費(ガソリン代)のみで基本は無料で対応してもらえます。非会員だった場合は、8時から20時の一般道でのトラブルで8380円+燃料代実費。20時から8時の高速道路(SA&PA外トラブル)で、1万9900円+燃料代実費+高速料金と状況に応じて費用は変わってきます。
●ガス欠で車に損傷も
ガス欠を繰り返すと、車によっては燃料ポンプやバッテリー、スターターモーターなどが損傷するリスクがあります。また特に最近増えている直噴エンジンの場合、シリンダー内に燃料を噴射するインジェクターのノズルが損傷することもあるようです。こうなると、ガソリンを入れてもエンジンが動かなくなってしまい、修理工場へレッカー車で移動する必要が出てきます。また、パイプラインからもガソリンがなくなっていると、給油しても、すぐにガソリンが行き渡りません。こうなると、スターターやバッテリーに負担がかかり、故障のリスクが高くなります。
●電気自動車の電欠はレッカー移動
では電気自動車だとどうなのでしょうか。もし電気自動車で電欠が起きた場合、メーカーのサポートプログラムに電話をするか、JAFなどのロードサービスを利用するようにしましょう。電気自動車には、走行用モーターに電力を供給する「モーター駆動用バッテリー」と、ガソリン車と同じ「補器類用バッテリー」があります。「補器類用バッテリー」はガソリン車と同様、ジャンピングスタートで起動できます。しかし、「モーター駆動用バッテリー」は電圧が高く、一般の人が触れるのはたいへん危険です。またこの充電には時間を要するので、ロードサービスのレッカー移動サービスによって最寄りの充電できる場所まで搬送してもらう必要があります。
●高速道路上でのガス欠は交通違反
ちなみに高速道路上でガス欠を起こした場合、交通違反となります。違反点数2点と反則金9000円(普通車)です。また違反であることからもわかるように、高速道路上で車が停止してしまうことはたいへん危険で、重大な事故を招く可能性があります。このリスクは、日頃の燃料チェックで回避することができる部分です。「まだいける」と考えず、燃料は定期的に補給する習慣をつけておきましょう。
<参考サイト>
「燃料残量警告灯(ガソリンランプ)」が点滅しても、あと50kmは走行できるって本当?|CarMe
https://car-me.jp/articles/4104
【もし給油ランプが点灯したら】ガス欠直前!! 「やるべきこと」と「やっちゃいけないこと」|ベストカーWeb
https://bestcarweb.jp/feature/142951
クルマの「ガス欠」は要注意! ガス欠症状やGS空白区間の現状とは|くるまのニュース
https://kuruma-news.jp/post/199314
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