
国旗の色は、その国を象徴し、固有のイメージを喚起します。特に、隣国である中国といえば「赤」のイメージが強いです。中国の国旗は「五星紅旗」といい、赤地に5つの黄色い五芒星を配したデザインです。紅=赤色は「共産主義革命」、黄色は「光明」を表しているといわれています。今回は、そんな中国人と赤色の関係について探ってみたいと思います。
●中国と赤(紅)色
赤色にもいろいろなニュアンスがありますが、中国語では赤のことを「紅(ホン)」と表現され、好まれています。
ニュースなどで目にしたことがあると思いますが、お正月、結婚など、伝統的な祝いの日は「紅」で飾ります。お正月は、真っ赤な爆竹を炸裂させ、真っ赤な紙に...
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国旗の色は、その国を象徴し、固有のイメージを喚起します。特に、隣国である中国といえば「赤」のイメージが強いです。中国の国旗は「五星紅旗」といい、赤地に5つの黄色い五芒星を配したデザインです。紅=赤色は「共産主義革命」、黄色は「光明」を表しているといわれています。今回は、そんな中国人と赤色の関係について探ってみたいと思います。
●中国と赤(紅)色
赤色にもいろいろなニュアンスがありますが、中国語では赤のことを「紅(ホン)」と表現され、好まれています。
ニュースなどで目にしたことがあると思いますが、お正月、結婚など、伝統的な祝いの日は「紅」で飾ります。お正月は、真っ赤な爆竹を炸裂させ、真っ赤な紙に祝いの言葉を書いたものを門に貼るなど、街中が紅一色になります。映画においても、張芸謀監督の作品『紅いコーリャン』の色彩表現がとても印象的です。
また、日本でもお馴染みの十二支ですが、その年の年男年女の運勢は良くないとされ、その邪気を祓うという意味から、紅い下着を身につけます。現代においても、中国で全国統一の大学入試「高考」に挑戦する子どもの合格祈願のために、母親は勝負の際に幸運をもたらすとされる赤(紅)いチャイナドレスを着る習慣があるなど、歴史と文化に根ざした色彩ということができます。
なお、赤(紅)は中国を統治する共産党のシンボルカラーでもあります。中国革命の際に重要な事柄が行われた場所を巡るツアーなど「紅(※)色旅游景点」と表現するように、中国人にとって、もっとも重要な色は赤(紅)になります(※編注/「紅」ですが、実際には中国語の赤を表わす文字になります)。
●赤(紅)色が好まれる訳
中国語の「紅」を辞書で調べると、「赤」という色彩を指す意外に、「めでたい」「革命の」「受けている」「人気がある」などの意味の拡がりを確認することができます。
古来より中国においては陰陽五行説にもリンクして、主な色彩にはそれぞれ象徴的な意味が込められています。そのイメージの源泉を辿るなら、太陽の力、血液の力として、邪気を払うパワーを象徴、紅=赤は、太陽神と火神の崇拝から太陽と火の象徴としての色彩への崇拝変遷として考えることができそうです。
ポジティブな「紅=赤」に対して、「白」には「ずるさ」「陰湿」「極悪」などネガティブなイメージとなります。京劇の隈取りにおいても、ヒーローは紅、悪人キャラは白で表現されます。また、結婚は「紅事」、葬儀が「白事」を指すように、紅白が対極的なイメージであることがわかります。「純粋」「無垢」「清潔」「神聖」などプラスイメージが多い白ですが、中国と同様にネガティブなイメージを持つ国も少なくないようです。特に、中国での結婚式など、お祝いの席でのネクタイ色には注意しましょう。
●世界の赤色イメージ
日本においての赤は女性を象徴するようなピクトグラム表現(男性は黒、青)がありますが、日本独特のイメージになります。赤色イメージを調べてみると、欧米では、愛、情熱、血気、興奮、革命、行動、興奮、危険、インドにおいては、純粋、官能、スピリチュアルを意味するようです。世界的には過剰なエネルギーをネガティブに捉える向きもあるようですが、中国においては、幸福、吉祥、楽しみ、熱烈、発展、成功、順調、成就と圧倒的にポジティブです。
ちなみに、還暦を迎えるにあたって赤いちゃんちゃんこを着るという日本の風習は、中国に由来するとのことです。
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