ガラケーの時代は今や昔、もはやパソコンと変わらない性能を持つスマホの時代では、SNSブームの広まりはとどまるところを知りません。TwitterやFacebookを筆頭に、さまざまな交流サイトが増えています。
みなさんは、「インスタ映え」という言葉を聞いたことがありますか?「インスタ」とは「インスタグラム(Instagram)」という、自分の撮った写真を投稿、共有して他人と交流できるアプリの略称です。つまり、「インスタ映え」とは、インスタグラムに「映え」る写真を撮影することを意味します。
しかしこの「インスタ映え」を気にするあまり、一部のユーザーが過剰な行動を取り、問題になっているのです。
●「...
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ガラケーの時代は今や昔、もはやパソコンと変わらない性能を持つスマホの時代では、SNSブームの広まりはとどまるところを知りません。TwitterやFacebookを筆頭に、さまざまな交流サイトが増えています。
みなさんは、「インスタ映え」という言葉を聞いたことがありますか?「インスタ」とは「インスタグラム(Instagram)」という、自分の撮った写真を投稿、共有して他人と交流できるアプリの略称です。つまり、「インスタ映え」とは、インスタグラムに「映え」る写真を撮影することを意味します。
しかしこの「インスタ映え」を気にするあまり、一部のユーザーが過剰な行動を取り、問題になっているのです。
●「人物像」づくりに必死になるユーザー
インスタグラムは日々の生活の中の1コマを投稿し、お互いに「いいね」をつけあって、交流します。例えば、「今夜のご飯はカレーです」と文字と一緒に、カレーの写真を投稿したり、旅行で○○にいますと、その風景写真を投稿したり、といった具合です。
これだけであれば、さほどユーザーが過剰な行動に出ることもなさそうですが、こうした投稿写真から、投稿者がどんな人物で、どんな生活を送り、何をしているか、うっすらとその「人物像」が浮かび上がってきます。誰しも、少しの見栄は張りたくなるものですが、このSNS上の「人物像」をつくりあげることに、“必死”になってしまうユーザーがいるのです。
●問題になっている過剰行動
代表的な過剰ユーザーの行動を挙げてみましょう。
・見た目のカワイイ食べ物を購入し、撮影だけして捨ててしまう。
・ひとりで食事をしているのに、ふたりでいるように見せるため、食事や飲み物を2人分注文して食べずに残してしまう。
・ブランドバッグや人気のグッズを購入して撮影を終えると、すぐに売ってしまう、捨ててしまう。
・立入禁止の場所や、危ない場所に立ち、見栄えのする写真を撮る。
「食べ物を大切にする」「ものを大切にする」ことは、それを作った人、使われている材料となった動物や植物への感謝、そこにあるものだけでなく、人そのものへの愛情も育みます。ところが、SNS上の理想の自分を追求するあまり、こうした行動を取る人が少なくないのです。また「立入禁止」の場所へ入ってしまう等、むやみにルールを破り、トラブルに発展した事例や、危険な行動を取り事故死するという事件も起きているのです。
これは決してインスタグラムだけの問題ではなく、TwitterやFacebook、YouTubeでも同様のことが言えます。それぞれのSNSのユーザー層や、目的とする内容が違うため、事情は異なりますが、TwitterやYouTubeでは、話題になりたいがため、食べ物にわざと虫を混入させ、「異物混入」に見せかけた写真がアップされたり、コンビニのアイスケースの中に人が入り込む動画が投稿されたりもしました。
また近年、インスタグラムやFacebookなどで映える写真を提供したり、友だちがたくさんいるように見せかけるため、疑似パーティの場で一緒に写真撮影を行ったりする業者もいます。
●見せかけの自分にはいつか限界が来る
「自分をよく見せたい」、「理想の自分に近づきたい」、「人気者になりたい」というのは、人として当たり前の感情でもあります。負の側面だけでなく、インスタグラムでの撮影の腕を認められ、プロのカメラマンとなったユーザーも存在しますので、もちろん、一概にすべての投稿行為が「よくない」わけではありません。
SNSへの投稿は、たくさんの人に見てもらうことができます。すてきな写真を撮れば、その分「いいね」がつき、嬉しくなるのも事実です。写真好き同士が仲間を見つけ合うこともすてきなことでしょう。すてきな写真を撮りに、旅に出ることもすばらしいことです。
しかし、「いいね」の数を自分の“存在価値”にしてしまってはいけません。見せかけの自分にはいつか限界が来ます。美しい部分、かっこいい部分だけでなく、醜いところや、恥ずかしいところを見せ合い、理解し合うことで、人は本当の信頼を築いて行くからです。
本来は便利で楽しいSNSサイト。きちんと現実世界に根を張り、適度に利用していくことが大切です。
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