ド素人のRPG制作現場潜入レポ

~①ゲーム会社を知ろう~

ケムコとは ③特徴編

企業研究の過程で、ケムコの特徴も明らかになってきました。

携帯電話向けパブリッシャー

ケムコは長いあいだ家庭用ゲーム機の世界から姿を消していましたが、どうやらそのメインの戦場を携帯電話(ガラケー)に移していたようです。

ガラケーでダウンロードゲームが遊べるようになったのは今から14~5年ほど前で、当初はメモリ量や端末の貧弱さから、データ総計が数十~数百キロバイトという、非常に小規模なゲームしか遊べませんでした。加えてマシンパワーも貧弱、液晶画面も小さい・・・一方で当時のゲームハードといえばプレステ2にXBOX、ゲームキューブ、GBA・・・どれもこれも数百メガバイトから数ギガバイト(携帯アプリの数千倍~数万倍のサイズ)の世界で戦うモンスターマシンばかり。コンテンツの量では比較にすらならない差です。
しかし、そんな時代から携帯電話アプリの持つポテンシャルを信じ続け、愚直にゲームアプリを出し続けた業者もまた存在しました。その中のひとつがケムコであり、ゲーマーたちの知らないところで、携帯電話アプリユーザーには結構知られた存在になってゆきました。

RPG

携帯電話ゲームアプリメーカーとしてケムコが成功したのは、本格ロールプレイングゲーム(RPG)を多数リリースしたことによります。

かつてRPGはルールブックとサイコロを用いて遊ぶアナログゲームでした。
やがてRPGといえば、ドラゴンクエストやファイナルファンタジーを筆頭とするフィールド探索・ターンベース戦闘・豊富なストーリーなどで構成されるデジタルゲームのジャンル名として定着してゆきます。
RPGに求められがちな美麗グラフィックや長編ストーリーはゲーム容量を著しく増大させるため、携帯電話には不向きと思われましたが、時を追うにつれ、携帯電話の性能も向上、ゲームアプリも大容量化してゆきます。
ケムコでは早い段階から「携帯電話でRPGを遊びたい」というニッチな需要が生じることを見込み、低容量ながら「遊べる」RPGを次々に投入、端末性能の向上に伴ってボリュームも相応に強化し、最終的にはプレイ時間数十時間に及ぶ大作RPGも実現するに至りました。さらにRPGを月1本以上の早いペースでリリースすることで、ニッチな需要を大きく満たすことに成功したようです。

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