ド素人のRPG制作現場潜入レポ

~①ゲーム会社を知ろう~

ケムコとは ➀名前編

いきなりですが、ケムコは社名ではありません。(※一時期そーゆー社名でやってた頃もあったようですが今は昔)

正しくは株式会社コトブキソリューションといいます。まるでシステム開発企業のような社名ですが、実のところシステム開発も主幹事業としてやっているので社名詐欺ではありません。

じゃあケムコって何なんだよってところですが、答えはブランドです。
「このゲームはケムコというブランドのゲームだよ」と称して売っているだけなわけです。社名よりブランド名が有名になるなんてゲーム業界ではよくあることだったり。

ちなみに「ケムコ」の名前を聞いたひとの反応は以下の5通りに分かれるそうです。

ケムコ? 某社のパクリ?

ケムコロゴ ちがいます。ウチの語源は母体となった「コトブキ技研工業」(Kotobuki Engineering & Manufacturing Co., Ltd)でして、某超有名ゲーム会社さんのお名前と語感は似てますが別物です。 製造業(Manufacturing)の会社(Co., Ltd.)は全部「ムコ」になりうるわけですのでカンベンしてください! 間違われると迷惑です! 主に某社さん側が。

え、コトブキシステム? まだ生きてたの?

「コトブキシステム」は、ケムコブランドが(たぶん)一番有名だったころの会社名です。ファミコン時代に仕事でかかわっていた方からよく聞く物言いですね。
正確にいえば、「コトブキシステム」と「コトブキソリューション」は別の会社です。
ゲーム部門とケムコブランドを、グループ企業であった「コトブキソリューション」が「コトブキシステム」から引き継ぎ、主に携帯電話(ガラケー)向けのゲームアプリを販売する事業を始めました。 なお、当時コトブキシステムで働いていたスタッフの幾人かは現在のコトブキソリューションにも残っており、ファミコン時代のとんでもない武勇伝をいくつも口伝していたりします。
というわけで、トータルでは「ケムコ」はまだ生きている、と言って差し支えないでしょう。
コトブキソリューションの本社も呉市にあり、ゲーム部門は少し離れた東広島市を根城にしているようです。

ケムコ? ○○○(大昔のゲーム名)の?

筆者はコレでした(後述)が、今自分がコレを聞くとちょっと微妙な気持ちになったりします……。

今のケムコ(ゲーム部門)は平均年齢30歳前後のスタッフで構成されており、ファミコンゲームを作っていた当時のスタッフは少ない。一応自社製品の名前くらいは知っているけど、詳しい話は聞かれても出ない。ごめんボスに聞いて。

長いケムコの歴史において様々なドラマがあった(らしい)。中には色々込み入った事情でどうしようもなくなった話もあり、いくつかのタイトルについてはタブー扱いになっている。 やめてその名前を出すのは。社長に聞かれたら大変なの。そこまでじゃなくても、現在弊社で権利を持っていないタイトルも多々あるため、それらに対し「自分たちのゲーム」と主張するのは微妙だったり。

そうやって話題に上る昔の有名ゲームたちは、現在ケムコが出しているゲームとはジャンルも雰囲気も違うものばかりなため、「ああやっぱり今の自分たちは知られてないんだな」と寂しい気持ちになる。

知らない。聞いたこともない。

基本的に、若い人に自己紹介して通じる率は極端に低いです。泣きたい。
10年くらい前のFLASH動画ブームの頃、レトロゲーが素材やネタとして再発掘されており、筆者もその時にケムコの名前を意識しました (子供のころはゲーム機を持っていなかったので接点がなかった)。そういった機会でもなければケムコを知ることはなかったと思います。
昔と違ってゲームがくさるほど溢れている現在、ふと会ったひとがケムコユーザーだったということは非常にまれになっています。多分この記事を読んでいる方も大半は我々のことを知らずになんとなく来られた方なんじゃないでしょうか。

あの冷蔵庫に入っているやつ?

それはキムコだ。
ちなみに台湾のバイクメーカーにもキムコというのがあります。全部無関係です。

マイページに追加