ド素人のRPG制作現場潜入レポ

~①ゲーム会社を知ろう~

ケムコとは ②業務編

前述したような事情で筆者はケムコ(コトブキソリューション)のことを知っており、大学のすぐ近くにオフィスがあったことから「これってもしかして」と調べたことで本格的に邂逅を果たすこととなりました。
近場。そしてゲーム企業。この2点でケムコに興味をもった筆者は、あらゆる就活イベントや説明会でケムコをストーキングし、情報を集めたのでした。

それで判明した内容・・・前述したようにシステムの仕事やら色々手広くやっているのですが、おおよその方にはゲーム業界の話しか興味がないと思うので割愛。

まず、ケムコの主たる業態は、パブリッシャーです。

いきなり聞き慣れない用語かと思いますが、基本的に「ゲーム会社」を名乗っている会社はすべて以下の2種のどちらかに分類が可能・・・だと思います。

デベロッパー・・・ゲームを作る人たち

直訳すると「開発者」。ゲーム会社というと9割の人は思い浮かべるであろう、「ゲームを作る」役割がこちら。
プログラミング、コンピュータグラフィック(CG)、デジタル作曲、ストーリーテリングなどなどの専門技術を駆使してゲーム作品を作り上げる、デジタルエンターテインメントのプロ集団。

パブリッシャー・・・ゲームを売る人たち

直訳すると「出版者」。デベロッパーから作品を買い取って、実際のユーザーたちに売る役割がこちら。
実際にゲームが完成し、それがユーザーの手元に届くまでには数々のハードルがある。マーケティング、企画、プロジェクト管理、資金提供、品質管理、パッケージ生産、在庫調整、物流手配、ブランディング、広告宣伝、問屋や小売りへの売り込み・・・そういった、小さな会社には荷が重い「ゲームを売るための諸業務」のプロ集団。日本のゲーム業界ではなぜか「メーカー」と呼ばれることが多い。


パブリッシャー業務というのは、基本的には自前でのゲーム制作を含みません。ケムコでも主に、他のデベロッパーさんと業務委託契約をむすび、さまざまな交換条件(詳しくは秘密)のもと、かれらの作ったゲームをケムコブランドで発売する・・・というような業務をしています。デベロッパーが作家さんだとすれば、パブリッシャーはまさに出版社の役割といえば分かりやすいでしょうか(ケムコブランドは「○○文庫」みたいなものですね)。
今現在有名な大手ゲーム企業の多くもゲームメーカー、すなわちパブリッシャーであり、一部作品を社内で作っているほかは外部デベロッパーに制作を依頼している、なんてことは珍しくありません。作品制作はあなたが遊んでいるあの有名作やこの人気作は、ロゴが印刷してあるその会社ではなく、協力関係にある他の開発会社が実際には作っている・・・ということもザラです。

なお、筆者が事前に受けた説明では、ケムコでは「内部での開発(つまりデベロッパー業務)も若干しているが、本数でいえば9:1程度の割合で外部デベロッパーのものを多く出している」とのことでした。ふむふむ。

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