全国2800万人、5人に1人が抱えているといわれる「変形性膝関節症」。これは膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形が生じて、痛みなどが起こる病気のことです。原因療法はなく、一般的には痛み止め(抗炎症鎮痛剤の飲み薬かヒアルロン酸注射)による対症療法がおこなわれています。
しかし、そんな「一時しのぎ」に疑問を持ち、根本的な改善や回復を目指した「運動療法」を30年にわたって提唱してきた医師がいます。その人こそ、“膝の痛みの名医”と呼ばれる、順天堂大学医学部整形外科学特任教授・黒澤尚先生なのです。
●黒澤先生の運動療法はとってもカンタン
黒澤先生が積み重ねてきた長年の実践にもとづく運動療法は、2000年...
ジャンル
美容/健康
全国2800万人、5人に1人が抱えているといわれる「変形性膝関節症」。これは膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形が生じて、痛みなどが起こる病気のことです。原因療法はなく、一般的には痛み止め(抗炎症鎮痛剤の飲み薬かヒアルロン酸注射)による対症療法がおこなわれています。
しかし、そんな「一時しのぎ」に疑問を持ち、根本的な改善や回復を目指した「運動療法」を30年にわたって提唱してきた医師がいます。その人こそ、“膝の痛みの名医”と呼ばれる、順天堂大学医学部整形外科学特任教授・黒澤尚先生なのです。
●黒澤先生の運動療法はとってもカンタン
黒澤先生が積み重ねてきた長年の実践にもとづく運動療法は、2000年、国際的な関節症の学会が作成したガイドラインで「第一にこの運動療法をしなさい」という世界の基準として認められました。
その運動療法とは、激しいものでも、難しいものでもありません。黒澤先生はこう説明しています。
“運動といっても激しい汗をかくものではなく、70歳でも60歳、80歳でも家で簡単にできる、5~10分の簡単な方法をずっと行っています。”
つまり、とってもカンタンな体操なのです。
●運動療法は朝晩「三つの体操」を数分行うだけ
では、いったいどんなものでしょう。まず大きな特長は以下の2つ。
・痛みが緩和される
・続けることで進行を遅らせ、再発しにくくする予防効果が期待できる
もしこの運動療法に欠点があるとすれば…? それは「医者がもうからないこと」、と黒澤先生はズバリ。
では、具体的な運動療法=「三つの体操」をご紹介しましょう。
<その1:脚上げ体操>
1.仰向けに寝て、左ひざを立てる
2.左ひざを伸ばしたまま、ゆっくり上げ、高さ10cmに上げて5秒キープしたら下ろす
3.1~2秒たったら再び上げて②の動作を20回繰り返す
4.反対側の脚も同様に20回行う
<その2:横上げ体操>
1.横向きに寝て、下側のひざを直角に曲げる
2.上側の脚をひざを伸ばしたまま、ゆっくり上げ、高さ10cm程で5秒間キープしたら下ろす
3.1~2秒経ったら再び上げて②の動作を20回繰り返す
4.反対側の脚も同様に20回行う
<その3:ボール体操>
1.お尻をついた状態でボールを太ももの間にはさみ、ひざを少し曲げる
2.ボールを太ももでつぶすように力を5秒間入れたら抜く
3.20回繰り返す
いかがですか? ビックリするほどカンタンでしょう? 黒澤先生は体操をする人にこうもアドバイスしています。
“「運動」というと二の足を踏む人がいますが、いずれも、どんなに痛い人でも、どんなに膝が痛いときでも、痛くなく、すぐできます。そして、何も使わずにできます。ボール体操はボールを使うものですが、ボールがなければ、枕でも何でも構いません。間にはさむものがあればいいのです。
そういう方法で、3つの体操をそれぞれ20回ずつ繰り返しやっていただきます。一種類につき約4~5分ですから、三つやって片脚15分ぐらいです。それを朝晩やるとよくなっていきます。”
●なぜ運動療法が効果的なのか?
でも、この方法で「本当によくなるの?」と疑問に感じる人もいるでしょう。なぜ運動療法によって改善されるかというと、それは「炎症状態を起こした細胞に小さな運動刺激を外から加えると、細胞自体に抗炎症の起点が起こって炎症が鎮まる」というメカニズムが理由です。このことが、長年の実践と研究結果からわかってきたのです。
多くの人が悩まされている膝の痛み。これほどカンタンな体操なら、やって損はないはずです。周りで苦しんでいる人につい教えてあげたくなりますよね。体操法は以下の動画でも確認できますので、ぜひお試しください。
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美容/健康