是枝裕和「万引き家族」がパルムドール 日本人21年ぶりの快挙<第71回カンヌ国際映画祭>


【是枝裕和・万引き家族/モデルプレス=5月20日】第71回カンヌ国際映画祭で日本時間5月20日(現地:19日夜)に授賞式が行われ、是枝裕和監督の最新作で、コンペティション部門正式出品作『万引き家族』が最高賞であるパルムドールを受賞した。

是枝裕和監督(C)2018『万引き家族』 製作委員会
是枝裕和監督(C)2018『万引き家族』 製作委員会
◆日本人が21年振りにパルムドール受賞

カンヌ国際映画祭において最高賞にあたる同賞は、1997年の第50回カンヌ国際映画祭にて今村昌平監督作品『うなぎ』が受賞して以来21年振り、カンヌのコンペにて日本映画が受賞するのは是枝監督の『そして父になる』以来5年振り。

日本時間5月14日に行われた公式上映では、約9分に渡るスタンディングオベーションがおこり、辛口で知られる海外メディアからも賛辞が飛び交い、高評価を得るなど受賞への期待が高まっていた。

授賞式の様子(C)2018『万引き家族』 製作委員会
授賞式の様子(C)2018『万引き家族』 製作委員会
授賞式では、今回の審査員団のケイト・ブランシェットをはじめ、エイヴァ・デュヴァーネイ監督、クリステン・スチュワート、レア・セドゥ、『ブレードランナー2049』のドゥニ・ヴィルヌーヴ監督らが選ぶパルムドールに発表され、是枝監督が壇上で「さすがに足が震えています。この場にいられることが本当に幸せです。そしてこの映画祭に参加するといつも思いますが、映画をつくり続けていく勇気をもらいます。そして、対立している人と人を、隔てられている世界と世界を映画が繋ぐ力をもつのではないかという希望を感じます。今回みなさんにいただいた勇気と希望をまず一足早く戻ったスタッフとキャストに分かち合いたいですし、作品が選ばれたにも関わらず、ここに参加できなかったふたりの監督たちとも分かち合いたいですし、これから映画をつくり、ここを目指す若い映画の作り手たちとも分かち合いたいと思います。ありがとうございます」とスピーチした。

是枝裕和監督(C)2018『万引き家族』 製作委員会
是枝裕和監督(C)2018『万引き家族』 製作委員会
是枝監督は日本時間23日に帰国する予定だ。

同作には、リリー・フランキー、安藤サクラ、松岡茉優、池松壮亮、樹木希林などが出演。英題は「SHOPLIFTERS」。日本では6月8日に公開される。(modelpress編集部)

■「万引き家族」ストーリー
「万引き家族」(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
「万引き家族」(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.
高層マンションの谷間にポツンと取り残された今にも壊れそうな平屋に、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀の4人が転がり込んで暮らしている。彼らの目当ては、この家の持ち主である初枝の年金だ。足りない生活費は、万引きで稼いでいた。社会という海の底を這うような家族だが、なぜかいつも笑いが絶えず、互いに口は悪いが仲よく暮らしていた。冬のある日、近隣の団地の廊下で震えていた幼い女の子を、見かねた治が家に連れ帰る。体中傷だらけの彼女の境遇を思いやり、信代は娘として育てることにする。だが、ある事件をきっかけに家族はバラバラに引き裂かれ、それぞれが抱える秘密と切なる願いが次々と明らかになっていく──。

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