形成外科専門医・西嶌順子氏が明かすスキンケアの正しい知識 美容医療の前に「自宅でできるセルフケア」<インタビュー>


【モデルプレス=2021/05/06】形成外科専門医・西嶌順子(にしじま・じゅんこ)氏が、自身初の書籍『「無駄なケアをやめる」から始める 美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社)を4月23日に発売。今回は西嶌氏にインタビューを行い、出版の経緯やスキンケアについて話を聞いた。

西嶌順子氏 (C)モデルプレス
西嶌順子氏 (C)モデルプレス
◆形成外科専門医・西嶌順子、自身初の書籍を出版

(左)西嶌順子氏 (C)モデルプレス
(左)西嶌順子氏 (C)モデルプレス
同書は、恵比寿形成外科・美容クリニック院長、西嶌先生初の書籍。最近では、コロナ禍でのお家時間を活用した「おうち美容」「おこもり美容」という言葉も話題になった。

西嶌順子氏初の著書『「無駄なケアをやめる」から始める 美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社、4月23日発売)(提供写真)
西嶌順子氏初の著書『「無駄なケアをやめる」から始める 美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社、4月23日発売)(提供写真)
同書では、肌の土台作りを大切にし「傷を元通りに、さらに美しく治す」という形成外科ならではの専門知識を生かした「本当に肌によい」美容のテクニックを、イラストや図解でわかりやすく解説していく。また、西嶌先生の夫、暁生先生が監修を担当。夫婦で、多くの人が細胞から美しくなれるようなメソッドを発信していく。

◆西嶌順子が伝えたい美容法「ありのままのあなたは美しい」

― まず始めに、今回の書籍を出版したきっかけについて教えてください。

普段、初診の患者さんがいらっしゃったときは、ご本人のお悩みをうかがい、肌の診察を行うところから診療が始まります。また、普段のスキンケアや食事、睡眠はどうしているのかなどはすべて肌に関わることなので、理想を言えば、幅広く深くお話する必要があります。実際、睡眠不足や食事の偏りなどを見直すことは美肌作りの基本です。しかし、限られた診療時間の中で、すべてをお話しすることは不可能です。

そこで今回は、本当はお伝えしたいけれど、普段の診療の中ではお伝えしきれないことを本にまとめました。美容医療を受ける以前に自宅でできるセルフケアがアンチエイジングの基本です。この本を通じて、読んでくださった方が肌本来の力を発揮し、健康で美しい素肌になれるようにサポートできれば嬉しいです。

― 本書の読みどころを敢えて挙げるとしたら、どんなことになるでしょうか?

普段のホームケアとして化粧や美容法をするにあたり、「無駄なケアをやめて、肌本来の力を活かしたスキンケアを行って欲しい。ありのままのあなたは美しい」というところは、伝わったらいいなと思っています。

◆コロナ禍ではマスクの肌トラブル急増

― 今はすっかりマスク社会ですが、コロナ禍で増えている女性からの相談には、どんなものがありますか?

マスクによる肌荒れやニキビ、赤ら顔などの相談が増えました。また、シミ取りレーザーやニキビ跡の治療など、一時的にダウンタイムがあるような施術を前向きに検討する女性が増えています。そのような方はマスクで隠せるから、「今やりたい」とおっしゃっています。

― マスクは追い風になっているんですね。

そうですね。そのほか、「在宅勤務で済むようになって、時間ができたから今やりたい」とか、「いつもマスクをしているから、前よりも薄化粧になった」とおっしゃる方も多いですね。外出する機会が減り薄化粧になったため、肌の調子がよくなっている女性もいます。

― 基本的なことですが、化粧は肌の負担になるものですか?

やり方によっては、そうですね。負担になります。化粧品を選ぶのも難しいと思うのですが、良心的なものと、そうではないものがあります。界面活性剤とか合成ポリマーなどをたくさん使っている商品よりは、少ないもののほうがよいです。見分けるのは難しいとは思うのですが、化粧品を使うのが全くダメというわけではありません。肌のことを考えて良心的に作られたものを使ってほしいのです。

◆クレンジングは「油汚れの食器を洗剤で洗うのと同じ」

― スキンケアや化粧でやってしまいがちな「よくないこと」を挙げるなら?

まずはクレンジングです。クレンジングで化粧を落とす原理は、油汚れの食器を洗剤で洗うのと同じです。界面活性剤を使って汚れを落とすので、肌に優しいと書いてあるクレンジングでも、使い続けることで多少は負担になります。そのため、クレンジング剤を使わなくても済むような化粧を選択して頂いた方が、肌細胞にはよいのです。

― おうち時間が増えたことで、肌と向き合う時間が増えた人も多いのではないかと思います。日常的に「これはやっておいたほうがいい」というスキンケアを教えてください。

むしろ「不必要なケアはやらなくていいですよ」という思いです。肌のバリア機能や皮膚の常在菌など、本来の肌の機能が発揮できていたら、なにも塗らなくても乾燥しません。肌によいと思っているスキンケアが実は、肌の細胞をいじめたり、弱らせたりすることがあるのです。「なにもつけなくてもよい状態の肌」を目指してほしいです。なかなか、すぐにそこまでたどり着く方はいらっしゃらないので、その過程で必要な化粧品をお使いになるのはよいと思っています。

― 先生のご経験から、そういった状態になれるポイントはありますか?

自分史上最大に肌の調子がよかったのは、一人目の子供の出産にあたって、産休に入って、育休をもらった期間でした。出勤をしなくなったので、化粧を全くしなくなったのです。ずっと家の中にいたので、日焼け止めもつけず、洗顔フォームも使わず、過度に落としもしないし、塗りもしないという生活が3カ月くらい続きました。出産後、余裕がなくて、何もできなかったっていうこともあったのですが、そのような生活を3カ月くらい続けていたら、ニキビや毛穴、乾燥などの悩みが少しずつ改善されていきました。

二人目を出産のときも、「また肌が綺麗になったらいいな」と思っていたのですが、上の子の保育園の送り迎えで、日焼け止めを塗って落としてという生活をしていたら、思ったほどではありませんでした。

◆朝の洗顔は水だけ、ヨーグルトパックで美肌菌を増殖

― 年代に関わらず、本来の肌の機能を重視して、余計なことはしないほうがいいということですね。先生は、純石けんでの一日一回の洗顔以外、特別なことはしていますか。

朝は水だけで洗っていますね。1日に何回も石けんを使うと、本来肌に必要な常在菌や皮脂も一緒に落としてしまうからです。また、ヨーグルトパックの習慣はあります。ヨーグルトに含まれるビフィズス菌が美肌菌を育てるからです。

― クリニックに出勤する際には、お化粧されているのでしょうか?

子どもがまだ小さくて、余裕がないというのもあって、ほとんどすっぴんで出勤する日もあります。時間がある時は、日焼け止めやパウダーファンデーションを塗っていますが、どちらも石けんで落とせるものを使っているので、夜にクレンジング剤は使いません。あと余裕があれば眉毛を書いて、アイシャドウをするときもあります。

― 化粧品は、石けんで落とせるものを選びましょうということですね。ちなみに、純石けんの定義は?

洗顔フォームやクレンジング剤には、合成界面活性剤が入っています。純石けんにも、界面活性作用はあるのですが、肌にとって一番安心で、害が少なく、残りカスが常在菌の餌にもなります。純石けんとは、合成の界面活性剤を使用しないで、脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムなどの石ケン素地で作られるせっけんです。

― ありがとうございました。

(modelpress編集部)

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