元乃木坂46井上小百合、自粛期間中に「生きる上で大事なもの」実感<銀ちゃんが逝く>


【モデルプレス=2020/07/10】元乃木坂46メンバーで女優の井上小百合が10日、東京・新宿の紀伊國屋ホールで行われたつかこうへい没後10年追悼イベント「朗読 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」(7月10日より上演)の公開ゲネプロに、主演の味方良介、共演の植田圭輔、演出と岡村俊一氏とともに出席。ゲネプロ前に舞台挨拶に登壇した。

井上小百合(C)モデルプレス
井上小百合(C)モデルプレス
◆井上小百合ら、つかこうへい命日に熱演誓う

本作は、「つかこうへい演劇祭−没後10年に祈る−第三弾 蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」の最後を締めくくる予定だった「蒲田行進曲完結編『銀ちゃんが逝く』」が、新型コロナウイルスの影響で公演中止になったことを受け実施されるもので、ソーシャルディスタンスを意識した、殺陣あり、アクションありの進化型朗読劇を上演。主演の銀ちゃんこと倉岡銀四郎役を味方が、ヒロインの小夏役を井上が、銀ちゃんのために命をかける大部屋俳優のヤス役を植田が演じる。

(左から)植田圭輔、味方良介、井上小百合(C)モデルプレス
(左から)植田圭輔、味方良介、井上小百合(C)モデルプレス
朗読の稽古をする中、徐々に演劇色が強くなっていったそうで、岡村氏は「朗読はするんですが、演劇という形を皆さんに届けたいという思いを見てやってください。俳優というのはすごい生き物だなって思っていただけると思います」と紹介。その後の挨拶で、味方は「今ちょっと泣きそうです」と声を詰まらせ、「劇場にいるって最高ですね!幸せだし、(つか氏の)命日に僕らがここに立てるって、こんなに幸せなことはないなって…」と感慨深げに語った。

井上小百合(C)モデルプレス
井上小百合(C)モデルプレス
また、井上は「10年前の今日、つかこうへいさんがお亡くなりになられて、10年後の今日、私たちはこうして、いろんな葛藤を乗り越えて、劇場でお芝居ができるという奇跡にすごく感謝しております」と目を輝かせ、「ある人にとって、演劇というのは必要ない存在かもしれないですけど、この期間を通して私にとって誰かと泣いたり笑ったりする時間というのは、生きる上で大事なものだなって感じました」としみじみ。

続けて、「いろんなリスクを背負って今日、劇場に来てくださった皆さんがいると思うし、初日を迎える上でいろんなリスクを背負ってお客さんが来てくれると思うんですけど、その方々に絶対に届けられるものがあると信じているので、この稽古期間に葛藤がたくさんあったんですけど、今日、初日を迎えられることがすごく嬉しいです。楽しんでいきたいと思います」と声を弾ませた。

井上小百合(C)モデルプレス
井上小百合(C)モデルプレス
さらに、つかこうへい作品に初出演となった井上は、難しかった点や嫌だった点を聞かれると「朗読に合っているものと、朗読に合わないものがあると思うんですけど、(本作は)100%合わなかったので(笑)、“どうやったらいいんだろうな”ってすごく思いました」と吐露し、「でも、稽古場の皆さんにすごく助けられて、それでもソーシャルディスタンスはとらないといけないので、どうやってこの距離感でお芝居を作っていくんだろうって新たな試みも勉強させていただいて、私はつかこうへいさんにお会いしたことはないですし、初挑戦なんですけど、きっとつかこうへいさんが生きて来た中で、自分が接したものとか、関わってきたもの、出会ってきた人たちのことが色濃く描かれているので、きっと天国で舞台を見たときに“おいおい”って思われるような作品にしたいなと思いながら作っていきました」とコメント。

加えて、「距離を取りながら、本当はガッと行きたい部分も、感情で持っていかなきゃいけないところがすごく多くて、感情の引き出しをすごく勉強しました」といい、「やっぱり朗読劇かどうなのかわからないですけど(笑)、見た人は“見に来てよかった”って思ってくれると信じています」と自信を覗かせた。

味方良介、井上小百合(C)モデルプレス
味方良介、井上小百合(C)モデルプレス
最後に岡村氏は「どういう風に言われても我々は構わないと思っています。でも演劇人はこの厳しい時でもこれくらい頑張れるんだ、時間がなかろうが、どんな制約があろうが、役者っていうのはこんだけ美しいんだというのを見てください」とアピールし、好評につき7月23日(木・祝)~26日(日)の追加公演も決定したことも発表した。(modelpress編集部)

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