私たちは、品揃えが豊富なほど、ものは売れると考えがちだ。しかし、一概にそうとはいえないことが分かっている。アメリカのある高級スーパーで、別の日に2種類のテイスティング・ブースを設けた。一つには6種類のジャムを、一つには24種類のジャムを置いたところ、立ち止まる人は24種類のブースのほうが多かったが、売上は、何と6種類のほうが10倍も多かったという。
独身の若者たちに、オンライン・デートのプロフィールを見せる実験でも、同様の結果が出た。はじめは皆、多くのプロフィールのなかから相手を選びたがっていた。しかし、最終的には、4人のプロフィールを見た群よりも、20人のプロフィールを見たほうがうんざりし...
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人間関係
私たちは、品揃えが豊富なほど、ものは売れると考えがちだ。しかし、一概にそうとはいえないことが分かっている。アメリカのある高級スーパーで、別の日に2種類のテイスティング・ブースを設けた。一つには6種類のジャムを、一つには24種類のジャムを置いたところ、立ち止まる人は24種類のブースのほうが多かったが、売上は、何と6種類のほうが10倍も多かったという。
独身の若者たちに、オンライン・デートのプロフィールを見せる実験でも、同様の結果が出た。はじめは皆、多くのプロフィールのなかから相手を選びたがっていた。しかし、最終的には、4人のプロフィールを見た群よりも、20人のプロフィールを見たほうがうんざりしていたという。
人は選択肢が多ければ満足できるというわけではないのだ。
●ベテランは直感的に動いたほうが結果が良い
ある実験では、ベテランのゴルファーが2通りの条件でパットしたところ、面白い結果が出たという。好きなだけ時間をかけてパッティングするよりも、3秒の制限時間を設けて打ったほうが、カップ・インの数が多かったのだ。ちなみに、新米ゴルファーは、もちろん好きなだけ時間をかけたほうが、成績が良かった。
ゴルフだけでなく、ハンドボールなどのスポーツでも、同様の実験結果が出ている。ベテランは、直感的に動いたほうが、考え抜いた行動よりも概して成績が良いのである。
●直感は情報や選択肢がそれほど多くないときによく働く
以上のことから分かるのは、「情報や選択肢が多すぎると、直感はうまく働かない」ということだ。もちろん、少なすぎるのも良くない。物事がちょうどよく運ぶ情報量が存在するのだ。そして、環境さえ整えば、直感はかなりよく当たるのである。
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