「パチンコで3万円もつぎ込んだんだ。そろそろ当たるかもしれないし、今さらやめられない」。このように「その先に利益があるかもしれないし、今さらやめられない」という状況に陥ってしまうのは、誰にでも経験のあることでしょう。実はこのように考えてしまうのは、脳の働きが関係しているからでもあります。
私たちの脳は日々の生活を円滑にするために、事象を歪めて理解することが少なくありません。「こういう時にはこう認識するものだ」という経験則から、効率的に物事を認識するクセがついているのです。この思考のクセのことを心理学では「認知バイアス」といいます。
しかし、この認知バイアスは時に事実を歪めて認識してしまうこと...
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「パチンコで3万円もつぎ込んだんだ。そろそろ当たるかもしれないし、今さらやめられない」。このように「その先に利益があるかもしれないし、今さらやめられない」という状況に陥ってしまうのは、誰にでも経験のあることでしょう。実はこのように考えてしまうのは、脳の働きが関係しているからでもあります。
私たちの脳は日々の生活を円滑にするために、事象を歪めて理解することが少なくありません。「こういう時にはこう認識するものだ」という経験則から、効率的に物事を認識するクセがついているのです。この思考のクセのことを心理学では「認知バイアス」といいます。
しかし、この認知バイアスは時に事実を歪めて認識してしまうこともあります。その4つの例をご紹介しましょう。心あたりのあるものもきっとあるはずです。
●続けているからこそやめられない「コンコルド効果」
冒頭に述べた、3万円をつぎこんだパチンコをやめられないのは「コンコルド効果」と呼ばれる脳の働きのひとつです。お金や時間を費やし続けて損失が増えても、「損失の責任を負いたくない」「続けていれば報われるはず」といった気持ちからやめられない状態に陥ってしまうのです。趣味や娯楽だけでなく人間関係、投資などの経済活動でも見られる傾向ですが、あまりにもやめられないと大きな損失につながるので、注意が必要です。
●成功は自分の手柄、失敗は他人のせい「自己奉仕バイアス」
仕事で失敗した時に「運が悪かった」「周りのフォローがなかった」など自分以外の原因を探すことは多いはずです。しかし、逆に仕事での成功に対しては「自分の手柄だ」と感じるのではないでしょうか。これは「自己奉仕バイアス」と呼ばれる脳の働きです。成功は自信につながりますが、失敗した場合には自分が傷つかずに済むように、脳は無意識のうちに他人や環境などに責任転嫁して、自分が悪いのではないと思い込むようになっているのです。
●相手に期待することで影響を及ぼす「ピグマリオン効果」
「願えば叶う」は夢物語かもしれませんが、意外とそうでもないかもしれません。教育現場での実験でも、教師に期待された生徒は能力が伸びやすく、期待されない生徒は能力が伸びにくくなります。人間は期待された通りの結果を出す傾向があるこの効果は「ピグマリオン効果」とよばれます。仕事や人間関係にも活用でき、自己暗示でも効果があるので、日々の生活に取り入れたい考え方です。
●先入観にとらわれすぎて偏ってしまう「確証バイアス」
人間は無意識のうちに自分の仮説や信念に一致する情報を重要視しやすく、逆に一致しない情報については軽んじやすい傾向があります。この脳の働きを「確証バイアス」といいます。この確証バイアスは考え方に偏りを持たせてしまいがちなので、気をつけなければ偏見の原因ともなってしまいます。自分の考えとは異なる情報も広く集めて、総合的に考えることを心がけるようにしましょう。
私たちの脳は融通がききますが完璧ではありませんし、ちょっと現実とズレてるところもあります。それは決して間違ったことではなく、むしろ脳が効率的に働いているからこそ起こることです。自分も他人も思考のクセに振り回されているんだと思うと、少しだけ人に対して優しくなれて、生きるのが楽になるのではないでしょうか。
<参考サイト>
『自分では気づかない、ココロの盲点?完全版』(池谷裕二著・講談社)
・あなたを破滅に導く心理「コンコルド効果」に要注意
https://matome.naver.jp/odai/2142331945819672801
・誰もが持っている危険な傾向、「確証バイアス」とは?
https://matome.naver.jp/odai/2142543511529739101
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