水川あさみ、対照的な“妻”役で主演女優賞 「自身はどちら?」と質問も<第94回キネマ旬報ベスト・テン>


【モデルプレス=2021/02/04】「2020年第94回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」が4日、都内で行われ、「喜劇 愛妻物語」「滑走路」の演技で主演女優賞を受賞した水川あさみが登壇した。

「2020年第94回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に登壇した水川あさみ (C)モデルプレス
「2020年第94回キネマ旬報ベスト・テン表彰式」に登壇した水川あさみ (C)モデルプレス
同賞は、老舗映画雑誌「キネマ旬報」が1924年(大正13年)に創設。その年を代表する「日本映画」「外国映画」を10本挙げるほか、個人賞として「主演男優・女優賞」「助演男優・女優賞」「新人男優・女優賞」など、その年の称賛すべき映画作品や映画人を表彰する。

今年は新型コロナウイルス感染症の状況を考慮し、観客の招待は断念したが、初となるライブ配信で各賞の発表と受賞者表彰式を行った。

◆水川あさみ、対照的な2つの“妻”役で受賞

水川あさみ (C)モデルプレス
水川あさみ (C)モデルプレス
水川はトロフィーを受け取ると「こんな歴史のある賞を頂けて嬉しく思っています」と話し、「喜劇 愛妻物語」について「話を頂いたときに本当にすごくこの役にビビビッと運命的なものを感じて絶対に私がやりたい、と思って2020年関わってきた作品なのでご褒美を頂いた気分です」と喜びのスピーチ。

この日、客席で見守った足立紳監督が表彰式前に楽屋に訪れたそうで、「(『キネマ旬報』の)本をじっと見て『これは嬉しいな、宝物だな』とおっしゃって下さってすごくグッと来たんですけど、言うのは恥ずかしくて抑えました」と感慨深い表情。「これからも味わいのある作品に沢山長く関わっていける女優になれれば」と今後の活躍も誓った。

水川あさみ (C)モデルプレス
水川あさみ (C)モデルプレス
恐妻を演じた「喜劇 愛妻物語」のチカは「とにかく最初から最後まで怒ってるのでエンジン全開でバテないように踏み込んで頑張りました」と演じたそうで、司会の笠井信輔アナウンサーから「私生活で引きずりませんでした?」と聞かれると、「大丈夫でした(笑)」と笑って否定。

一方で「滑走路」で演じた切り絵作家の翠は子どもを欲しつつも夫との関係に亀裂が入っていく控えめな妻の役柄だったため、「ご自身はどちら?」と聞かれると、「どっちでしょうね?どっちもです(笑)」と笑い飛ばし、「どっちも極端に振れているので想像の範疇を超える役だったから演じがいがありました」と役について語った。

◆日本映画ベスト・テン第1位は「スパイの妻<劇場版>」

黒沢清監督 (C)モデルプレス
黒沢清監督 (C)モデルプレス
日本映画ベスト・テン第1位は「スパイの妻<劇場版>」(監督:黒沢清 配給:ビターズ・エンド)で黒沢監督が登壇。

主演男優賞は「アンダードッグ」の演技で森山未來が受賞。森山は表彰式は欠席となり、ビデオメッセージを寄せた。

なお、2位以下は2月5日発売号の紙面にて発表となる。

◆笠井信輔アナ、2年ぶりに「キネマ旬報ベスト・テン表彰式」司会復帰

笠井信輔アナウンサー (C)モデルプレス
笠井信輔アナウンサー (C)モデルプレス
また、この日は悪性リンパ種の治療を経て「完全寛解」となった笠井信輔フリーアナウンサーが司会を担当。

2004年より同賞の司会を14回担当していたが、昨年は闘病のため参加できず。今年は決意を新たに2年ぶりに復帰を果たした。

笠井アナは表彰式が開幕し、賞の説明を終えると、「戻ってまいりました、帰ってまいりました、ご心配おかけしました」と笑顔で挨拶し、会場の報道陣とスタッフから温かい拍手を受けた。(modelpress編集部)

◆「第94回キネマ旬報ベスト・テン」受賞結果

・日本映画ベスト・テン第1位 「スパイの妻<劇場版>」(監督:黒沢清 配給:ビターズ・エンド)
・外国映画ベスト・テン第1位 「パラサイト 半地下の家族」(監督:ポン・ジュノ 配給:ビターズ・エンド)
・文化映画ベスト・テン第1位 「なぜ君は総理大臣になれないのか」(監督:大島新 配給:ネツゲン)
・読者選出日本映画ベスト・テン第1位 「天外者」(監督:田中光敏 配給:ギグリーボックス)
・読者選出外国映画ベスト・テン第1位 「パラサイト 半地下の家族」(監督:ポン・ジュノ 配給:ビターズ・エンド)

【個人賞】
日本映画監督賞:大林宣彦「海辺の映画館-キネマの玉手箱」
日本映画脚本賞: 濱口竜介、野原位、黒沢清 「スパイの妻<劇場版>」
外国映画監督賞:ポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」
主演女優賞:水川あさみ「喜劇 愛妻物語」「滑走路」
主演男優賞:森山未來 「アンダードッグ」
助演女優賞:蒔田彩珠「朝が来る」
助演男優賞:宇野祥平 「罪の声」「本気のしるし<劇場版>」「恋するけだもの」「37セカンズ」「星の子」
新人女優賞:モトーラ世理奈 「風の電話」「タイトル、拒絶」
新人男優賞:奥平大兼 「MOTHER マザー」
読者選出日本映画監督賞:田中光敏 「天外者」
読者選出外国映画監督賞:ポン・ジュノ「パラサイト 半地下の家族」
読者賞:川本三郎 連載「映画を見ればわかること」
特別賞:野上照代



【Not Sponsored 記事】

スゴ得限定コンテンツ

動画コンテンツ

マイページに追加