松本まりか「どうする家康」突然クランクアップ 再共演・山田孝之とのバディは「静かに刺激を受けていた」


【モデルプレス=2023/10/08】女優の松本まりかが、嵐の松本潤が主演を務めるNHK大河ドラマ「どうする家康」(総合テレビ、毎週日曜午後8時~/BSプレミアム・BS4K、毎週日曜午後6時~)の8日放送の第38回に登場した。

松本まりか(C)NHK
松本まりか(C)NHK
◆松本潤主演「どうする家康」

松本潤(C)NHK
松本潤(C)NHK
今作は、希代のストーリーテラー・古沢良太氏が新たな視点で、誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を描いた、スピード感あふれる波乱万丈のエンターテインメント作品。

国を失い、父を亡くし、母と離れ、心に傷を抱えた孤独な少年・竹千代(のちの家康/演:松本潤)が、三河武士の熱意に動かされ、織田信長(岡田准一)、武田信玄(阿部寛)という化け物が割拠する乱世に飛び込み、死ぬか生きるかの大ピンチをいくつも乗り越えていく。

松本まりか(C)NHK
松本まりか(C)NHK
松本まりかは、千葉哲也演じる父を継いで忍者集団を束ねる大鼠(おおねずみ)役。体が柔らかいことを生かし、どんな場所にも忍び込み、町娘から遊女、武士までどんな人物も演じきる変装の達人だ。山田孝之演じる服部半蔵とタッグを組み、たびたびドジを踏む彼を細やかにフォローする良きパートナーでもある。

◆松本まりか「どうする家康」突然のクランクアップ「もっと居たかった」

松本まりか(C)NHK
松本まりか(C)NHK
― クランクアップした今のお気持ち

実は、「明日クランクアップです」と昨夜に突然言われたんです。今だに実感が湧きません(笑)。オリジナルキャラクターとして、作品の大事なシーンに立ち合わせてもいただき、役者さんたちの凄さをまざまざと体感できる有意義な時間を過ごせました。1年間同じ役を演じるということもなかなかないですし、やっぱりもっと居たかったですね(笑)。

― 大鼠を演じる難しさ

松本まりから(C)NHK
松本まりから(C)NHK
誰もが知る徳川家康を題材にした作品で、歴史的に有名な人物が沢山出てくる中、大鼠は数少ないオリジナルキャラクターの一人。“遊べる”役であり、正解がなく想像力を求められる役でした。戦続きではりつめた戦国の空気を、少し緩ませる役も担っていると理解しつつ、古沢さんがどういうキャラクターを目指して描かれたのかなというのを、少ない手がかりから辿って考えていくのは、面白くも難しくもあり、とてもやりがいがありました。

物語が進んでいくうちに、大事なシーンを締めるコミカルな“大オチ”を半蔵と任される場面が出てくるようになったり、「大鼠ってこんなこと言うんだ」と私も予想していなかったようなセリフも出てきたり。とにかく必死で、毎回シーンがくるたびに「こんな一面もあったの!」と思いながら、食らいついていった感じです。

きっと大鼠は、普段は農業で自給自足の暮らしをしながら、密かに忍びとしての技術を磨いている人。身よりもなく、きっと家もなくて、今日食べるものがあるかどうか、生きるか死ぬかの生活をしている。この作品の中では、戦国時代当時の一般庶民の代表のような人でもあり、とても貧しい暮らしだったと思います。最初はまず大鼠がどういう生い立ちだったのかというのを教えていただいたり、自分でも考えながら。特に始めの頃は、どんな環境で生きていたのかを想像する作業をしていました。

一般庶民の大鼠が、殿(家康)や家臣団の中にぽんと入るわけなので、どう居たらいいかなとか。時々突発的に出てくる役でしたし、その間描かれていないところを、殿に対してどういう緊張感でいたらいいのかとか、どう思っているのかとか。他の家臣団メンバーとは立場が違うので、一つひとつの佇まいや反応に試行錯誤しました。

◆松本まりか、再共演・山田孝之とのバディは「静かに刺激を受けていた」

松本まりか、山田孝之(C)NHK
松本まりか、山田孝之(C)NHK
― 服部半蔵を演じる山田孝之さんとのバディ

23年前、中学生の頃出会っているというのもありますが、何より人としての信頼感は絶大なるものがあります。でも沢山共演してきた訳ではないですし、こんなに長期間、しかもバディという役どころで組むのは初めてでした。一緒にやってみると、やはり凄いなと思います。芝居をする中で、彼の感性、感覚、面白さ、ユニークさ、発想には、静かに刺激を受けていました。

半蔵と大鼠は似ている部分もあれば、ボケとツッコミ、凸と凹の様な相反する面もあるので、山田孝之という人が演じる半蔵に対して、大鼠はどういうスタンスでいたら面白いか…というのを考えながらやっていました。半蔵とのシーンで特に印象に残っているのは、第6回(続・瀬名奪還作戦)、半蔵が「服部党は改めて殿のお抱えとなった」と服部党に言いに来るけど、皆半蔵の話は全く聞かずおにぎりに夢中になっているというシーン。クランクインの日に撮影した記憶があります。

監督が近付いてきて、こそっと「アドリブを入れて」「半蔵のお尻を叩いてみて」と(笑)。本人には内緒で、タイミングをはかって本番でバーンとお尻を叩いてみたのですが、さすが、半蔵として凄く面白く返してくれました。突然だったのでびっくりしたとは思いますが、その後、本人には特に「怒った?」とも聞いてないです(笑)。撮影初日ということもあり、大鼠をこれからどうつくっていこうかと悩んでいましたが、あのシーンで皆さんが2人の関係の面白さを見つけてくださった感じがします。半蔵と大鼠の関係性は、あそこから広がっていったんじゃないでしょうか。

― 第29回(伊賀越え)から第38回で登場するまでの間、大鼠は…

第29回(伊賀越え)で「これが俺の最後の仕事と心得る」と言ってはいたものの、きっとその後も、手を負傷してでも、忍び仕事を続けるための鍛錬は怠っていなかったんじゃないか。いつどんな依頼が来ても良いように、父から教わったスキルを磨き続けていたんじゃないかと思います。

きっと、“いつかまた半蔵が頼ってくれるかもしれない”というような期待や甘えは、大鼠の中にはなかったでしょう。日々農作業をし、鍛錬をし、変わらぬ暮らしを淡々と続けていたのかなと想像しました。

― 大鼠にとっての、半蔵の存在

松本まりか、山田孝之(C)NHK
松本まりか、山田孝之(C)NHK
甘い言葉も言わないし顔には出さないけれど、身寄りの無い大鼠にとって、半蔵は唯一、公私ともに心を許せる人になっていったのかなと思います。最初は義務感もあったかもしれませんが、半蔵と一緒に命がけで戦って任務をこなしていく中で、半蔵が出来ないところは自分が補完しなきゃと思える良い関係に変化していったのかなと。

38回は久しぶりの忍び任務でした。嫌々だけど、嫌よ嫌よも好きのうちというか…半蔵がそこまで言うならやってやるというスタンスだけど、でも実は、大鼠にとっても嬉しいことだったのかなと思います。

― 特に印象に残っているシーン

山田孝之(C)NHK
山田孝之(C)NHK
やはり第25回で瀬名を介錯するシーンですかね。反響も想像以上に大きく、とても心に残っています。瀬名の最期を描く大事なシーン。大鼠は瀬名とほぼ会ったことすらなかったので、初めて台本を読んで大鼠が介錯すると知った時は驚きました。半蔵が信康を、大鼠が瀬名を介錯しましたが、私たち忍びがなぜやるのか。その意味を見つけることが重要だと感じました。この二人に大事な役目を預けた古沢さんの意図が絶対にあるはずで、それをキャッチできないと演じられないですし、あの素晴らしい台本を自分が壊すようなことはしたくないなと思いながら、悩みました。殿と瀬名が積み上げてきた歴史もみていないのに、あの場にいていいのか、どういう心情でいたらいいのか。でもかといって、感情的になるのも違うし…と。

でも自分なりに意図を読み取れた時、脚本の素晴らしさを改めて感じたんです。殿と瀬名をずっとそばで見てきた家臣団は、とてもじゃないけど瀬名の介錯なんて出来ない。逆に適度な距離感をもった半蔵と大鼠だからこそ、最期を見届けられるんじゃないかと。

あの日の撮影は、25回まで積み上げてきた殿と瀬名と家臣団とスタッフさんたちの思いをすごく強く感じて、いつも以上に熱い空気が流れていました。瀬名が振り返って「介錯を頼む」と言った時に初めて目が合ったのですが、その目を見た時、もう一度彼女の顔を見て確かめたくなりました。それで、再度顔を覗く動きが生まれて、、、。瀬名の表情、目から、本気なんだと確信することが出来て介錯する覚悟ができたというか…。

あの瀬名の目がなければ私はしゃがんでもう一度目を見に行くこともなかったですし、介錯できる気持ちにはならなかった。そこまでの瀬名や殿や家臣団のお芝居があったからこそ、たまらなくなって土下座に至ったんだと思います。土下座も台本にはありませんでしたが、介錯した後、そのままその場に居続けることはどうしても出来なくて、思わずひれ伏しました。皆さんの芝居に動かされていったシーンでした。

― 視聴者へのメッセージ

山田孝之(C)NHK
山田孝之(C)NHK
大鼠というオリジナルキャラクターを皆さんがそれぞれに解釈して楽しんでくれたり、沢山の反響や感想が私の支えになっていました。大鼠が、いいスパイスになれていたら嬉しいです。これまで自分が演じてきた役とは全然違うキャラクターで、非常に悩んだ役でしたけれど、この一年間、キャスト・スタッフの皆さんと過ごした時間というのは、本当に有り難くて、貴重な時間でした。改めて、本当にありがとうございました。

史実からさらに想像をふくらませた「どうする家康」の世界が、私は大好きです。物語はこれからまだ10回続きますので、ぜひ引き続き楽しんで頂けたら嬉しいなと思っております。

(modelpress編集部)

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