松雪泰子・渡邊圭祐ら、前川知大氏演出舞台「無駄な抵抗」出演決定「今からワクワクしております」


【モデルプレス=2023/06/30】女優の松雪泰子や俳優の渡邊圭祐らが、11月より東京・世田谷パブリックシアターほかにて上演される舞台『無駄な抵抗』に出演することが発表された。

(上段左から)池谷のぶえ、渡邊圭祐、安井順平、浜田信也(中段左から)穂志もえか、清水葉月、盛隆二、森下創、大窪人衛(下段左から)松雪泰子、前川知大氏(提供写真)
(上段左から)池谷のぶえ、渡邊圭祐、安井順平、浜田信也(中段左から)穂志もえか、清水葉月、盛隆二、森下創、大窪人衛(下段左から)松雪泰子、前川知大氏(提供写真)
◆前川知大氏&世田谷パブリックシアター、4年ぶりにタッグ

舞台「無駄な抵抗」仮チラシ(提供写真)
舞台「無駄な抵抗」仮チラシ(提供写真)
前川知大氏が初めて世田谷パブリックシアターとタッグを組んだのは2009年。小泉八雲氏の怪奇文学作品集「怪談」の短編をもとに、“語り物”の手法を取り入れて構成した『奇ッ怪〜小泉八雲から聞いた話』を上演し、前川氏は第44回紀伊國屋演劇賞個人賞、第60回芸術選奨新人賞を受賞した。続く2011年には、能狂言から着想を得た『現代能楽集Ⅳ 奇ッ怪 其ノ弐』で現実と夢幻が交錯する世界を現出させ、第19回読売演劇大賞の大賞および最優秀演出家賞を受賞。

2016年には岩手県遠野地方に伝わる逸話・伝承を記した柳田国男氏の説話をモチーフにした『遠野物語・奇ッ怪 其ノ参』を、2019年には古代ギリシャの叙事詩「オデュッセイア」を原典にしたSF作品『終わりのない』を上演し、『遠野物語』で読売演劇大賞の大賞・最優秀スタッフ賞を、『終わりのない』で文化庁芸術祭賞新人賞を受賞した。

作品のモチーフは、近代日本の説話から、能・狂言、古代ギリシャの叙事詩、宇宙と、作品を追うごとに多岐に渡るが、日常と地続きに描かれるリアルさは変わらず、前川氏の真骨頂が発揮されている。

◆前川知大演出「無駄な抵抗」

古代ギリシャの叙事詩、ホメロスの「オデュッセイア」を原典とした新たなスケールのストーリーに挑戦した2019年の『終わりのない』に続き、今回前川氏が選んだテーマは、ホメロスの後に登場した古代ギリシャ劇。ソポクレスの「オイディプス王」に代表されるように、ギリシャ悲劇の大テーマである「運命」を扱う。

『終わりのない』では神々と別れた人類の成長と意識の目覚めを、一人の青年に託して描いた。今作では、オイディプス王のように、神々と別れ、世界という巨大な力「運命」に抗おうと、自らの意志を信じて生き始めた人たちを描く。

古代ギリシャ劇を発想の源泉として、前川氏は「運命」と「自由意志」をテーマに新たな作品の創作に挑む。前川氏はそこで、何を描きあぶり出し、現代に何を問うのか。

◆松雪泰子・渡邊圭祐ら出演者発表

出演には魅力的なキャストが揃った。イキウメ公演ほか数々の前川作品に出演し独自の存在感を発揮する池谷のぶえ、2018年『ゲゲゲの先生へ』以来5年ぶりの前川作品出演となる松雪、イキウメ公演のほか『終わりのない』から続けての出演となる清水葉月。また今回が前川作品初出演となる渡邊、穂志もえか。

そして、非現実的な世界もリアリティ溢れる演技で体現し、前川作品には欠かせない劇団「イキウメ」の俳優、安井順平、浜田信也、盛隆二、森下創、大窪人衛が脇を固める。(modelpress編集部)

◆作・演出:前川知大コメント

世田谷パブリックシアターとの創作では、劇団でのオリジナル作品とは少し違う地点から作品を立ち上げることができるのが魅力と思っています。今回は前回『終わりのない』から続き、ギリシャがスタート地点にあり、ギリシャ劇の大テーマである「運命」を描きます。舞台は現代で、私たちの日常から始まります。例えばそれは、人生を大きく左右する選択であったり、自分ではどうにもならないことにどう対処するのか、といった誰もが人生で経験することに自由意志と運命が、どう拮抗するのか、そういうところに迫っていけたらと思っています。

◆池谷のぶえコメント

運命についてー私にとって運命は、なるべく身を委ねる方を選択してきた。しかしその解釈も、「運命」という、いったい何に操られているかわからないもののせいにしてしまった方が楽だと感じているからかもしれない。別の運命の可能性のことを考えてしまうことも、既に運命の中に組み込まれてるとしたら、そのことを考えている時間が悔しい…と、考えてしまう時間すら運命だと言われるのでしょうから。信頼できる座組の皆さんと、なんだかとても太刀打ちできない巨大なものに挑もうとしている、静かな唸りを感じます。どんな運命になるのか、してやろうか、それこそが無駄な抵抗なのか…楽しみです。

◆渡邊圭祐コメント

前川知大さんの作品に参加できるという喜びと世田谷パブリックシアターの舞台に再び立てることを嬉しく思います。運命について、現在と自由、あらゆる可能性、すべてはこうなる、この言葉だけで心が踊らされてしまっています。どのような作品を作り上げていけるのか、私自身今からワクワクしております。観に来ていただいた方と思いを共有できるよう、時間をかけて磨きたいと思います。

◆松雪泰子コメント

前川さんの元、新たな創作に関われる事に喜びを感じております。これから立ち上がる世界を丁寧に積み上げていきたいと思います。無駄な抵抗どんな世界になるのか楽しみながら、創作していきたいと思います。

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