東山紀之×松たか子「3年待った」初共演が実現「蜷川さんに見ていて欲しかった」


【東山紀之・松たか子/モデルプレス=5月17日】TBSでは今夏、直木賞作家・藤沢周平と、その家族とのふれあいを描いたドラマ「ふつうが一番 -作家・藤沢周平 父の一言-」を、俳優の東山紀之と、女優の松たか子の初共演で放送。東山は同作で主演を演じるにあたり、12日に肺炎による多臓器不全のため亡くなった演出家の蜷川幸雄さんに向け「蜷川さんに見ていて欲しかったし、目と目を合わせて指導して欲しかった」と想いを明かした。

蜷川幸雄さんへの想いを語った東山紀之と初めて共演する松たか子(C)TBS
蜷川幸雄さんへの想いを語った東山紀之と初めて共演する松たか子(C)TBS
◆東山紀之が想う“使命”とは

蜷川さんの舞台に出演したことがある東山は、「蜷川さんは僕の作品を本当によく見ていてくれていて『あれ見たよ、良かったよ』というような言葉をかけてくださいました」と回顧。「松たか子さんとも話していたんですが、今回松さんと初共演となる『ふつうが一番』で演じる藤沢周平先生の役もきっと喜んでくださっていると思いますし、天国でダメ出ししながら見て下さると思いますので、これからは今まで以上に全てに真摯に向き合い、気を引き締めて邁進していきたいと思います」と意気込みをあらわにした。

また東山は「僕だけでなく、蜷川さんにお世話になった同じ事務所のタレントたちは、ジャニーさんと蜷川さんとの友情の中にいるので、お二人の友情のためにも僕らは益々学んで、どうやったらお客さんに喜んでいただけるか?ということを常に探し続けること」が使命であるとも告白。「その使命に気付かせていただいた方が蜷川さんだと思うので、これからもずっとその使命を貫くことを大事にしていきたいと思います」と心境を語った。

◆東山紀之×松たか子が初共演

藤沢周平の娘でエッセイスト・遠藤展子の「藤沢周平父の周辺」(文春文庫刊)、「父・藤沢周平との暮らし」(新潮文庫刊)を原作とする同作。藤原が小菅留治の本名で小説家になることを夢見ながら「食品加工新聞」の記者として勤めていた昭和38年頃、1人娘の展子を残し妻に先立たれ、母・たきゑと慎ましく暮らしていた時代から、松が演じる後の妻・小菅和子との再婚、そして昭和48年に直木賞を受賞するまでの家族との日々を実娘・展子の目線でとらえたヒューマンタッチの作品だ。

◆松たか子「安心感がありました」

主演の東山は「とても偉大な作家で、俳優であれば先生の作品を一度はやってみたいと考えている方が多いと思います。その人物を演じさせていただくことになり光栄に思っています」と恐縮。「藤沢先生も和子さんという素晴らしい奥様に恵まれて直木賞を受賞されてから作家活動がますます隆盛になられたという物語だと思います。今回は僕も同じように松たか子さんのお力を沢山いただいて、いい作品にするよう努めます(笑)」と展望を語った。

一方松は、「結婚を申し込まれる長いシーンのリハーサルの時、東山さんと向かい合ったら、ずっとセリフが出てきた瞬間があってとても不思議な気がしました。ご一緒しているときの空気が滑らかな感じがして、勿論緊張はしているのですが、とても安心感がありました」と述懐。「とても素敵なドラマに関わらせていただいて幸せです」と共演の感想を述べた。

◆3年越しの実現

プロデュースの石井ふく子氏は、東山と松の出演を望んだ結果、3年待ったことを告白。「遠慮なく話す夫婦、遠慮なく喧嘩もする、そんな家族のドラマを皆さんにご覧いただきたいと思います」と作品にかける意欲を吐露した。

脚本は映画監督としても知られている黒土三男氏、演出は清弘誠氏が担当。共演には草笛光子、角野卓造、佐藤B作、前田吟ら演技派が揃った。(modelpress編集部)

■東山紀之コメント
蜷川さんからは、自分で出来そうも無い、割と不可能に近いものを題材として渡されるんです。それをどう演じさせるか考え、指導して、叱咤激励しながら僕ら演者のステージを引き上げてくださる方でした。若手の俳優や僕もそうだと思いますが、役者としての生き方に自問自答している人たちが多いなかで、蜷川さんはその答えを演劇というものを使って導いてくださった方だと思います。蜷川さんは僕の作品を本当によく見ていてくれていて「あれ見たよ、良かったよ」というような言葉をかけてくださいました。

松たか子さんとも話していたんですが、今回松さんと初共演となる『ふつうが一番』で演じる藤沢周平先生の役もきっと喜んでくださっていると思いますし、天国でダメ出ししながら見て下さると思いますので、これからは今まで以上に全てに真摯に向き合い、気を引き締めて邁進していきたいと思います。藤沢周平先生の役を演じさせていただくというのは、僕が蜷川さんに気持ちを引き上げていただいたのと同じように、この役を演じることでさらに視野が広がっていくのではないかと思っています。できればその辺りも蜷川さんに見ていて欲しかったし、目と目を合わせて指導して欲しかった。

蜷川さんから「ヒガシ、おまえ情緒がないんだよ、情緒が…」と言われたのを強く覚えています。舞台で演じた役柄が死に向かうときの芝居で言われた言葉ですが、それ以降はどんな作品に向き合うときも「情緒とは?」ということを考えて演じるようにしています。その後、蜷川さんの舞台で演じたのは女性の役だったんですが「女性を演じるときは男性のようにやれ」ということも教えていただきました。そういう発想は僕にはまったく無かったのですが、そうか…だから「女々しく」「雄々しく」とか、「猛々しく」という言葉があるのか?ということも気付かせていただきました。これからも蜷川さんに残していただいた言葉をヒントにさらに励みたいと思います。

僕だけでなく、蜷川さんにお世話になった同じ事務所のタレントたちは、ジャニーさんと蜷川さんとの友情の中にいるので、お二人の友情のためにも僕らは益々学んで、どうやったらお客さんに喜んでいただけるか?ということを常に探し続けることが使命だと思っています。その使命に気付かせていただいた方が蜷川さんだと思うので、これからもずっとその使命を貫くことを大事にしていきたいと思います。

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