<志尊淳インタビュー>殻を破った転機と朝ドラ初出演への思い 「1つ1つの積み重ね」で掴んだ“今”


【志尊淳/モデルプレス=4月25日】俳優の志尊淳がNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」(月曜~土曜あさ8時)に出演。朝ドラ初出演となる志尊は、このほど行われたインタビューで今作にかける思いなどを語った。

志尊淳(写真提供:NHK)
志尊淳(写真提供:NHK)
永野芽郁がヒロインをつとめる「半分、青い。」は、「オレンジデイズ」「素直になれなくて」、映画「新しい靴を買わなくちゃ」等の北川悦吏子氏が脚本を担当。故郷となる岐阜と東京を舞台に、ちょっとうかつだけれど失敗を恐れないヒロイン・楡野鈴愛(にれの・すずめ)が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、やがて一大発明を成し遂げるまでの物語を描く。

◆志尊淳が朝ドラ初出演

志尊が演じる藤堂誠(とうどう・まこと)はゲイの美青年で、売れっ子少女漫画家・秋風羽織(豊川悦司)のもとで鈴愛の戦友となるアシスタント仲間。「ボクって…」が口癖であることから愛称は“ボクテ”。アマチュア時代に「金沢の鬼才」と呼ばれたほどの実力を持つが、親からは「早く結婚して家業の呉服屋を継げ」と言われている。さまざまな人生経験をしているせいか、言うことが結構深い…という役どころだ。

初の朝ドラ出演には「どの作品も挑む姿勢は変わらない」と前置きしつつも「朝ドラはたくさんの方が見る作品で、出たいという願望がありました」と強い思いがある。撮影は「とにかく毎シーン毎シーン楽しい」と声を弾ませ「すごく刺激的」といきいきと語る。

1人の人物の生き方を長年に渡り描くというのも朝ドラならではだが、その点に関しては「悩んでいますね」と苦戦もある模様。「次に撮るシーンが10年くらい離れているなど『どうしようかな』と考えることもある」というが、ボクテという役に寄り添い、信念を持って撮影に励む。

子どもの頃は外で遊ぶことのほうが多く、あまり漫画には触れてこなかったという志尊。撮影を通して、漫画家という職業は「想像以上にすごく大変な職業だと感じました」と発見があった。

ボクテは漫画家のアシスタントといった役どころだが「一番苦手といっても過言ではないくらいに絵が苦手」と苦笑しつつも「実際に漫画家の先生に指導していただきました。アシスタントは絵を描くというよりも、ペン入れをしたり、トーンを貼ったり、ベタを塗ったりという作業が多いのですが、集中力を高めて臨んでいます」と報告。「お芝居と合わせてその作業をするのが難しい」と吐露しながらも「シーン数をこなしていくごとに慣れてはきました」と充実ぶりをのぞかせる。

◆ゲイの美少年役…志尊淳の役作り

ゲイの美少年といった役柄も注目を集めそうだが、志尊は「ゲイセクシャルとうたわれていますが、作品ではそこまで言及していません。あくまでも鈴愛のアシスタント仲間として、戦友として一緒に戦っていく人物」だと紹介。それでも口調や服装など「細かいディテールを出していければ」とこだわりを持ち、役作りを怠らない。

志尊といえばNHKのドラマ10「女子的生活」でトランスジェンダーのヒロインを好演したことも記憶に新しい。今回のボクテもLGBT、セクシャルマイノリティという部分で共通する。どんな役も「一人の人間」として捉え、役に向き合うが「『女子的生活』に出演してからは、責任を感じるようになった」と自分の使命を受け止める。「ゲイセクシャルという役柄が表面的にならないように」と意識するとともに「(ボクテが)ゲイセクシャルと言われている以上、そこは責任を持ってしっかり演じたい」と力強く意気込んだ。

「女子的生活」では、女性の所作指導、発声方法などを研究して撮影に臨んだ。その経験は、今作でも活かされているそうで「ボクテを演じる中で、姿勢をキレイにして、所作を美しくしたいなと思っていたとき『女子的生活』で学んだ所作はかなり役に立ちました」と語る。

◆殻を破った転機

「1つ1つの積み重ね」を大切にし、経験を積みながら、さまざまな役に挑戦し、その数だけ違った表情を見せる志尊。中でも、昨年上演され、初のストレートプレイに挑んだ舞台「春のめざめ」は「自分自身、何かが変わった」と変化が訪れた。

この舞台では、本番の2日前まで演出家より「こんなのでは幕を上げられない」と厳しい言葉を受けたという。そんな中で「自分でもよくわからなくなって、1回振り切ってやってみたら『これだ』と言われました」と殻を破った。また、この舞台をきっかけにドラマ「植木等とのぼせもん」への出演の話が舞い込んだそうで「1つ1つの積み重ねが今になっているなと常日頃感じています」と目を細めた。

◆ヒロイン・永野芽郁の印象と現場の様子

ヒロインの永野については「毎日たくさんの量を撮って鈴愛として生きる姿に、刺激を受けています」と尊敬の念を抱く。カメラが回っていないところでも、永野、清野菜名とは、役柄同様の関係のようで「前室で、3人で喋って、笑い合ってというのは常日頃です。その役のまま喋っている、延長線上で喋っているくらいの関係が自然と作れたかと思います」と仲の良さをのぞかす。

愛称のボクテは、「ボクって…」という口癖が由来。自身の口癖を聞かれると「自分ではわからないな…」と悩みながらも「取材を受けているときなども『ボクって…』と言ってしまうときが結構あるんですよね(笑)」とすっかり役が染み付いている様子。アドリブでも「『ボクって…』と言うことに慣れているので、『ボクって…』は今、急上昇ワードだと思います」とサービスたっぷりに笑ってみせた。

自身とボクテの共通する部分には「仕事に対する貪欲な部分、そこを曲げない部分は似てるのかなと感じました」とあげ、「芯の強さは、いい意味でも悪い意味でも少し似てるのかな」と重ね合わせる。そんな志尊が信念とこだわり、そして責任を持って演じるボクテ。作品の中でどのようなスパイスを与え、存在感を見せてくれるのか、期待したい。(modelpress編集部)

■志尊淳(しそん・じゅん)プロフィール
生年月日:1995年3月5日
出身地:東京都
身長:178cm

2011年俳優デビュー。2017年は、主演ドラマ「きみはペット」(フジテレビ)、「植木等とのぼせもん」(NHK)、主演舞台「春のめざめ」、映画「サバイバルファミリー」、「帝一の國」、「覆面系ノイズ」など。 2018年はドラマ「トドメの接吻」(日本テレビ系)、ドラマ10「女子的生活」に出演。平成30年度前期連続テレビ小説「半分、青い。」への出演も決定し、秋には主演映画「走れ!T校バスケット部」の公開も控えている。

■「半分、青い。」ストーリー
大阪万博の翌年、1971(昭和46)年、岐阜県東部の架空の町・東美濃市梟(ふくろう)町で生まれた鈴愛(すずめ)。小学生のときに病気で片耳を失聴してしまうが、持ち前のユニークな感性と温かな家族、幼なじみの支えで前向きに乗り越える。高校最後の夏休み、幼なじみの律(りつ)に薦められた少女漫画にカルチャーショックを受けた鈴愛は見よう見まねで漫画を描き始める。鈴愛に影響を与えたのは、カリスマ漫画家・秋風羽織の作品であった。

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