乃木坂46与田祐希“アイドル封印”ヤンキー作品で新境地 共演者との撮影秘話も<「OUT」インタビュー>


【モデルプレス=2023/11/10】11月17日公開の映画『OUT』に出演する乃木坂46の与田祐希(よだ・ゆうき/23)にインタビュー。新境地ともなる男勝りなヒロインの役作りや、撮影現場の様子などをたっぷりと語ってもらった。<前編>

モデルプレスのインタビューに応じた与田祐希(C)モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じた与田祐希(C)モデルプレス
◆ヤンキー漫画「OUT」実写映画化

ポスタービジュアル(C)2023「OUT」製作委員会
ポスタービジュアル(C)2023「OUT」製作委員会
累計発行部数650万部を突破するヤンキー漫画『OUT』(秋田書店「ヤングチャンピオン・コミックス」刊)が実写映画化。監督・脚本は『ドロップ』でヒットを打ち出した品川ヒロシ。原作は、品川の中学からの友人・井口達也の青年時代を詰め込んだ実録物語となっている。

少年院から出所して保護観察中の達也(倉悠貴)は、次喧嘩をしたら一発アウト、トラブル厳禁の身で、地元から遠く離れた叔父叔母の元、焼肉店・三塁で働きながらの生活を始める。そんな彼の前に現れたのは、暴走族「斬人」副総長の要(水上恒司)。与田は「斬人」5代目総長だった皆川状介の妹で、彼らのたまり場となっているボーリング場でアルバイトをしている女子高生・皆川千紘を演じる。

◆与田祐希「OUT」原作に衝撃

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― はじめに、本作のオファーを受けたときの心境を教えてください。

与田:最初は不安が大きかったです。ヤンキーの世界も知らないですし、今までヤンキー漫画やヤンキー映画にもそこまで触れてこなかったので、この雰囲気の中にちゃんと入れるのか不安でしたが、知らないからこそ楽しみだなという思いもありました。

― 最初に原作を読んだ時にどのような印象を受けましたか?

与田:血生臭いといいますか…(笑)。少女漫画や少年漫画は、小中学生ぐらいからお父さんと一緒にレンタル漫画屋さんに行ってよく読んでいたのですが、その年齢でも読みやすいような漫画しかあまり読んでいなかったので、今回の作品には衝撃を受けました。「これが実写になるとどうなるんだろう」と思っていました。

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― 原作を踏まえた上で脚本を読んだ時の感想を教えてください。

与田:原作には千紘があまり出ていなかったので、映画では「このセリフ、違う人が言ってたけど私になったんだ!」というシーンがあり「ありがとうございます」と思いました(笑)。

◆与田祐希、ヤンキー作品で新境地

与田祐希(C)2023「OUT」製作委員会
与田祐希(C)2023「OUT」製作委員会
― 役作りのために意識したことはありますか?

与田:見た目の部分では、美容院に行ったことぐらいです。それと、いつもアイドルをしている時は可愛らしさを出したいと思ってメイクをしているのですが、今回はカッコよく、強めのメイクをしています。現場に行くと周りがそういう環境になってるので、あのヤンキー集団の中にいると、自然とアイドルの感じにはなれないなと思いました(笑)。

― 役はどのように入れていったのでしょうか?

与田:現場に入った時や、台本を家で読んでいる時です。あとは、自分の中に共通する部分を見つけています。日常生活にヤンキーを入れたら職業柄よくないので(笑)、気をつけながらも、ちょっとした時に「千紘だったらこう思うかな」「千紘だったらこうしてるな」というのが不意に浮かんだこともありました。

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― 千紘とご自身の共通点はありますか?

与田:私も分からなくて、周囲に聞いた時に言われたのが「物怖じしないよね」でした。地元の子や親に今回の役について話した時は「あ〜ぽいね!」と言われたのですが、ファンの方からは「真逆」と言われたり、「ぽいね!」と言われたり…なので、私にも分からないです(笑)。

― 強い口調でセリフを放つシーンもありますが、迫力を出すために行ったことがあれば教えてください。

与田:普段あまり怒らないので少し難しかったのですが、地元にいた頃を思い出しました。私は元ヤンじゃないですけど(笑)、兄弟喧嘩や地元の幼馴染に割と強めな感じだったので「こんな時もあったよな」と思いながら演じていました。それと、地元の子に「私って怒った時どんな感じだったっけ?」と連絡をしました。そしたら「田んぼに突き落とされた!」と言われて(笑)。私も落としていましたが、互いに落とし合っていたんです(笑)。

― 普段の与田さんの雰囲気とはギャップを感じる部分もあるかと思います。いつもと違う一面を見せることに不安や怖さはありましたか?

与田:知らない場所に行くなど、基本的に新しいことを始めることは好きなのでワクワクしていました!

◆与田祐希、撮影前に“不良”を検索

与田祐希(C)2023「OUT」製作委員会
与田祐希(C)2023「OUT」製作委員会
― 千紘の最初の撮影はどのシーンだったのでしょうか?

与田:ボーリング場でヤンキーたちに怒鳴り付けるシーンです。現場に入った瞬間は緊張感がありましたが、その前にもヤンキーの映像を見てました(笑)。

― ヤンキー集団との最初の撮影はいかがでしたか?

与田:最初はすごく怖かったです。でも怖がってはダメだと思いました。千紘はあまり物怖じしないですし、普通の人だったら悲鳴上げて泣いて逃げるようなところでも、立ち向かっていくというか、そういう環境で育ってきたから、それが当たり前みたいなところがあるので、慣れなければいけないなと思いました。“不良”とYouTubeで検索して、ヤンキーの映像を見て慣らして現場に行ってました(笑)。そうしたら、意外と「怖い」という気持ちがなくなりました。多分私だったらすごく泣き叫んでるだろうなと思いました。

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― 同世代が多い現場だったと思いますが、共演者とのエピソードはありますか?

与田:現場が寒かったので休憩中に皆さんで1つのストーブを囲んで、暖を取りながらスルメを焼いていました。良い距離感と言いますか、何を話したか思い出せないぐらいの何気ない会話をしていました。

― 和やかな現場だったのですね。

与田:監督が品川さんというのもあり、冗談を交えながら、とても和やかな現場でした。でも本番が始まるとスイッチが入って雰囲気がガラッと変わって、監督含めキャストの皆さんも切り替わる瞬間が明確ですごいと思いました。

◆与田祐希、品川ヒロシのディレクションは「プロでした」

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― 千紘は過去が複雑な役ですが、演じていて苦労したシーンはありますか?

与田:千紘にとってすごく大事なお兄ちゃんが喧嘩で亡くなっているのですが、お兄ちゃんと一緒のシーンがなかったので、どのような顔かも分からない中、「喧嘩を止めたい」という心情をずっと持っておかなければいけなかったので難しかったです。とても勉強になりました。

― 楽しかったシーンも教えてください。

与田:達也と千紘が一緒に駅まで帰りながら話すシーンはすごく楽しかったです。長回しで撮っていたのですが、あの瞬間は達也も千紘も壁なく喋れて、初めて心を開いた瞬間でもあるので、私自身も心を開いてあっという間に感じました。その前のシーンまでは“鉄の女・千紘”というような感じで、むしろ達也のことがちょっと嫌いぐらいのところから始まっていたのですが、やっと心を開いてきて演じていて楽しかったです。

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― 達也との最初の出会いのシーンもコミカルに仕上がっていますよね。

与田:出会いのシーンは終盤で撮影したんです。私も現場での緊張感もいい意味で溶けてきて、リラックスして撮れたシーンですし、楽しみながらできました。ただ、その日は風が強くてセリフが聞こえないトラブルもあって、初日ではなくて良かったと思いました。それと、達也の「可愛いんかい!」というセリフのタイミングと顔を監督がこだわっていて、お手本を沢山してくださったのですが、言い方が芸人さんでプロでした(笑)。

― 他にも、品川さんからディレクションを受けた部分はありますか?

与田:劇中で「達也」と何回も言うのですが、色々なバリエーションの「達也」を撮りました。それを品川さんが「“7色の達也”だね」と言っていました(笑)。あとは、焼肉屋での達也から「なんでお前まで来てんだよ!」と言われるシーンで、「無の顔をしてほしい」と言われて、その顔を褒めていただきました(笑)。

◆与田祐希「OUT」見どころは?

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
― 本作の見どころを教えてください。

与田:まず、すごくカッコいいです!今回JO1さんの主題歌や、山嵐の武史さんの爽快感あるカッコいい音楽に合わせて皆さんが戦っているのですが、痛々しくも気持ち良く、スカッとするようなシーンもあります。千紘は強めのヒロインですが、急に弱くなる部分もあって、そんな子をヤンキーたちがこぞって守ろうとしてくれている姿や、戦いが目の前で繰り広げられているところもカッコよかったですし、映像で見た時にも迫力がすごいなと思いました。達也たちが車の上に乗った紹介シーンは、私は出ていないので「ずるい!」と思いました(笑)。ギャグの部分はクスっとしますし、カッコいいシーンとのバランスが良いです。

★後日配信予定のインタビュー後編では、乃木坂46メンバーとの友情を感じたエピソードや夢を叶える秘訣などを語ってもらった。(modelpress編集部)

◆与田祐希(よだ・ゆうき)プロフィール

与田祐希(C)モデルプレス
与田祐希(C)モデルプレス
2000年5月5日生まれ、福岡県出身。O型。ドラマ『モブサイコ100』(2018年)で女優デビュー。以降、ドラマ『ザンビ』(2019年)、映画『ぐらんぶる』(2020年)、ドラマ『日本沈没―希望のひと―』(2021年)、ドラマ『量産型リコ』シリーズなどに出演。ファッション誌『bis』、美容誌『MAQUIA』のモデルとしても活躍する。

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