山下智久が見据える未来「自分の肩書きってなんだっけ?と思える時代に」エゴサ中に感じたファンとの関係性も語る<「Sweet Vision」インタビュー>


【モデルプレス=2023/07/27】5年ぶりのニューアルバム『Sweet Vision』をリリースした歌手で俳優の山下智久(38)にモデルプレスがインタビュー。本作のタイトルにもなっている“ビジョン”―――現在、日本のみならず世界を股に掛けた活躍をしている山下が見据える先とは?

モデルプレスのインタビューに応じた山下智久(C)モデルプレス
モデルプレスのインタビューに応じた山下智久(C)モデルプレス
◆山下智久、5年ぶりアルバム「Sweet Vision」は「明るいビジョンを描けるように」

山下智久「Sweet Vision」通常盤ジャケット写真(提供写真)
山下智久「Sweet Vision」通常盤ジャケット写真(提供写真)
アルバム『Sweet Vision』は、リード曲『Sweet Vision』に加え、主演映画『SEE HEAR LOVE ⾒えなくても聞こえなくても愛してる』の主題歌『I See You』、⽇本国内のみならず、台湾をはじめとするアジア各国で配信ストアチャート1位を記録した『Beautiful World』、Huluオリジナル『THE HEAD Season2』エンディング・テーマ『Dancing in a Dream』など、多くの話題を呼んだ楽曲を収録している。

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
「僕自身、5年後10年後の自分を常に思い浮かべながら行動を起こしているので、応援してくださっている方や、このアルバムを聴いてくださった方の明るいビジョンを描ける、手助けができるような音楽を届けられたらいいなと思いました。僕の理想やリアルを混ぜつつも、強い希望を抱ける、自分も抱きたいという気持ちがあるので、過去に失敗したことがあっても未来は変わる、前に進んでいく力を忘れたくないという思いを込めました。

『Dancing in a Dream』や『I See You』は、そこで携わった人たちの意見が反映されているので、海外での出会いが導いてくれた楽曲です。どちらもストーリーに寄せていますが、僕なりに解釈して、落とし込んでいきました。僕の思いよりも、作品というフィルターを通してできたと思います」

◆山下智久、制作活動への思いと苦労

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
グループで活動していたときから、ソロでいくつものシングル・アルバムをリリースしてきたが、本作は独立してから初めてリリースしたアルバムとなった。これまでと制作過程も異なるため、完成するまでたくさんの苦労も味わった。

「知らなかったことが本当にたくさんあって。それを1つずつクリアにしていくことがすごく大変な作業でした。ミュージックビデオを制作するだけでも、すごいエネルギーが必要なんだなということも学んだので、1曲1曲、より思い入れのある曲ができあがったなと思いました」

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
そして、「できるところは、無理せず」と、どんなことにも始めの段階から携わりたいという。

「忙しくてできないタイミングもありますが、今回はすごく集中して制作できたなと思うものもあります。曲によるのですが、今回UTAさんのスタジオに行って作ったり、あとはデモを聴かせてもらって、相談しながら作ったり。今の時代、流行りってあるようでないもので、国や世代によっても反応する曲が違うので、正解がない。難しいのですが、シンプルに今の自分が心地良いなと感じるものを意識して作りました。トレンドは移り変わりもすごいスピードなので、“自分が欲しいもの”というのがキーになっています」

◆山下智久、コロナ禍を経て感じた“エンタメ”の大切さ

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
独立してもうすぐ3年が経つ。この3年、山下自身だけではなく、コロナ禍を経験して世の中のエンタメが大きく変わった。「やっぱり難しかったですね」と苦戦しつつも、“エンタメの大切さ”を改めて感じていた。

「音楽に励まされる瞬間を自分自身も体感できました。僕も含めて孤独な時期を過ごした人が多いと思うので、そういう人の背中を押してくれる音楽という存在が、自分の中でより大きくなったような気がします。

僕はエンタメの力でなにかを変えたいと思っているわけではない。もちろん作品が持っている力だったり、音楽が持っている力だったりというのはあるとは思うのですが、今あるものに全力で取り組んでいくことしか、僕にはできないと感じたので、今できる目の前にあることをポジティブな気持ちで作っていくことしかないなと思いました」

◆山下智久、海外活動で学んだこと&ファンの温かさ

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
ここ数年、山下にとって大きく変わったことは、海外の作品にも積極的に出演し、国内外問わないスタンスで仕事をすること。「THE HEAD」「マン・フロム・トロント」などは、日本でも大きな話題となった。そうやって海外で活動することは、“必然だった”と話す。

「自然と進むべき方向、方角を決めてくれたような気がします。僕のおばあちゃんのお姉さんがアメリカの方と結婚して、そのお孫さんが僕の少し上ぐらいの年齢なんですけど、子どものとき、夏休みによく遊びに来ていて、カルチャーの違いをなんとなく感じていました。さらに仕事で、海外に行って雑誌の撮影をさせてもらったこともあって、海外カルチャーに触れていました。そういう積み重ねがあって興味がどんどん増していきました」

様々な国へ行くと、たくさんの人と出会う。新しい出会いを重ねて感じたことは、“結局はみんな人間”ということ。

「カルチャーは違うのですが、楽しそうな人も、しかめつらしている人もいる。どこに行ってもいろんな人達がいるので、自分の中で外国人というボーダーラインがどんどん薄くなっています。日本の方に接する気持ちと全く変わらず、その人たちを見ている。そうすると、各国に友人ができて、みんな人間だしな…みたいな感じで、間違いも正解もないことを自然と教えてもらった気がします」

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
そして、世界中の友達を思い浮かべながら「アジアだったり、ヨーロッパだったり、そこに住んでいる友達が多いです。現地で紹介してもらって会った人たちが日本に来てまた会ったりすると絆が深まっていくことが結構続いています。

日本を旅することも好きですが、気持ちが常に外に向いているのかもしれないです。外からの刺激が大事だなと、自分の中に常に刺激を入れるようにしています」

世界を股に掛け、活動する上で大切なツールの一つでもあるInstagram。山下は現在(※7月27日)、523万人以上のフォロワーを抱えているが、「こだわりは全然ないですね」とあっけらかん。「基本的には自分が撮りたい・いいなって思ったものを投稿しています。ストーリーは1日で消えるので、カジュアルにいろいろ発信しているのですが、ある意味本当に自分のチャンネルみたいなものだと思っています」

さらに、SNSを使ってのエゴサーチは「一応する」という。そこで見えてきたのはファンの温かさ。

「改善点を探すという意味でやるのですが、ポジティブなことを言ってくれる方が多いので勇気づけられますし、ファンの方からのメッセージは励みになります。ファンって人生を共有しているような、仲間であり、サポーターであり、ある意味励まし合える関係なのかなと思っています。サポートし合って、気持ちを交換することができる。SNSができたことによって、より身近に感じられる部分が増えたなと思いました」

◆山下智久が見据える5年後・10年後

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
最後に、5年後・10年後を見据えている山下の今後のビジョンとは?

「やっぱり自分のプランを質のいい形で構築していきたいという思いがあります。音楽だけではなく、映画やドラマに関しても自分の視野を広げていくという意味では、僕は旅がすごく好きなので、世界中をいろいろ旅して、いろんな感覚を吸収していくと、今の自分に合う人と出会うことができる。まずは自分を成長させていく、自分の感覚を広げていくことを続けていれば、僕はしっかりしたキャリアを作っていけるんじゃないかなと信じています。

友人もいっぱいいますけど、自然と仲が悪くなるわけではないのですが、ズレが出るときってあると思うんです。絶対人って成長のスピードが違うから。だから一緒に成長していける人とはずっと一緒にいられるのかもしれないし、波があるから合わないときもあるし、また合ったりするときもある。自分は自分のペースで深く考えてやっていこうかなと思います。

あとは自分の肩書きってなんだっけ?って思える時代になるんじゃないかなと。その時、その時の自分を届けたい。頑張っている姿を見てもらって感じてもらって、そういう生き様を届けていけたらいいなと思います。映画制作にも関わりたいという気持ちもあるし、監督は難しくても企画だったり、そういうものも含めていろんなことを届けてみたいという思いがあります」

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
そうやって歌手・俳優として幅広い活躍でファンを楽しませている山下だが「両立は大変」と本音をこぼすことも。

「音楽に携わっているときは、温まっている感じがするのですが、離れちゃうと冷めちゃうようなこともあって。ずっと特殊な環境においていただいていると思うのですが、音楽もやらせてもらって、演劇の方もやらせてもらうと、大変なこともあると思います。どちらかに戻ってきたらその熱が蘇ったりするので、その繰り返しをずっとやっているのかなと思います。

だから僕の理想は、2023年は音楽だけ、2024年は演技だけというふうにやっていく方が気持ち的には楽なのですが、なかなかそうもいかなくて。器用にできないので、同時進行は難しい。年齢を重ねるごとに1つ1つ掘り下げていかないといけないので、両方やることは結構不可能に近いような…だから時間をかけて深く掘っていきたい。今後はいい具合に調整していけたらいいなと思っています」

―――芸能界に入ってから約27年経つ山下。それでもまだまだ挑戦しようとしている。次はどんな新しい景色を見せてくれるのか。(modelpress編集部)

◆山下智久(やました・ともひさ)プロフィール

山下智久(C)モデルプレス
山下智久(C)モデルプレス
1985年4月9日生まれ、千葉県出身。High Hope Entertainment 所属。1996年より芸能活動をスタート。最近は活動の場を日本以外、海外にも広げている。主な出演作品は、「クロサギ」、「あしたのジョー」、「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」シリーズ、「THE HEAD」、「正直不動産」、「SEE HEAR LOVE 見えなくても聞こえなくても愛してる」など。今後は、Huluドラマ「神の雫(Drops of God)」(2023年配信)が控えている。

【Not Sponsored 記事】

スゴ得限定コンテンツ

動画コンテンツ

マイページに追加