「第46回日本アカデミー賞」結果総まとめ 最優秀作品賞は「ある男」


【モデルプレス=2023/03/10】「第46回 日本アカデミー賞 授賞式」が10日、東京・グランドプリンスホテル新高輪 国際館パミールにて開催され最優秀作品賞が石川慶監督、妻夫木聡主演の「ある男」に決定。ここでは各賞受賞作とともに授賞式の様子をまとめる。

(上段左から)妻夫木聡、岸井ゆきの(下段左から)窪田正孝、安藤サクラ(写真提供:東京写真記者協会)
(上段左から)妻夫木聡、岸井ゆきの(下段左から)窪田正孝、安藤サクラ(写真提供:東京写真記者協会)
◆最優秀作品賞は「ある男」

最優秀作品賞「ある男」チーム(写真提供:東京写真記者協会)
最優秀作品賞「ある男」チーム(写真提供:東京写真記者協会)
受賞に際し、同作で最優秀主演男優賞にも輝いた妻夫木は「嬉しいです。監督とは…ごめんなさい、やばい」と言いかけながら、感極まり涙。石川慶監督とは長編映画デビュー作となる「愚行録」(2017年)からの付き合いで、「才能を間近で見ていたので、こうやって認めてくださったことが嬉しいです。本当にありがとうございます」と感謝を伝えた。

なお、同作は最優秀作品賞、妻夫木の最優秀主演男優賞、安藤サクラの最優秀助演女優賞のほか、窪田正孝が最優秀助演男優賞、石川監督が最優秀監督賞、最優秀編集賞などを受賞。計8部門で最優秀賞を受賞した。

◆妻夫木聡「ある男」で最優秀主演男優賞受賞

妻夫木聡(写真提供:東京写真記者協会)
妻夫木聡(写真提供:東京写真記者協会)
第34回で「悪人」で同じく最優秀主演男優賞を受賞。二度目の受賞となったことを受け、妻夫木は「とにかく僕は日本映画が大好きです。これからも日本映画を盛り上げていけるようにまた皆さんと一緒に仕事ができたら嬉しいなと思います」と意気込んでいた。

◆岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」で最優秀主演女優賞受賞

岸井ゆきの(写真提供:東京写真記者協会)
岸井ゆきの(写真提供:東京写真記者協会)
受賞したことが発表されると、岸井ゆきのは涙を流しながら「身に余る賞をありがとうございます」と原案者の小笠原や関係者に向けても感謝。映画への愛を明かすとともに「この作品には見たことのない景色をたくさん見つけてもらいました。劇場でやってるんです。是非劇場で観ていただきたいと思います」と呼びかけていた。

◆安藤サクラ「ある男」で最優秀助演女優賞

(写真提供:東京写真記者協会)
(写真提供:東京写真記者協会)
優秀助演女優賞受賞者でのトークでは、共演者の妻夫木が「引退を考えていた」と安藤から告げられていたことを告白。それを受けて、最優秀助演女優賞の感謝を述べる場面で安藤はは「辞めようと思っていたことがこんな形でバラされると思っていなくて、情けなくて自分が…」と涙で言葉を詰まらせ、会場からは拍手が。仕事と育児の両立にも苦しんでいたというが「悩みつつ、その都度、家族で会議しながらまた頑張れたらいいなと、大好きな現場に戻れたらいいなと思っています」と笑顔を見せた。

◆窪田正孝「ある男」で最優秀助演男優賞

窪田正孝(写真提供:東京写真記者協会)
窪田正孝(写真提供:東京写真記者協会)
見事選ばれた窪田は、「えーっと…まさか本当に取れるとは思っていなかったので、何も考えていませんでした…どうしよう」と驚いた表情を浮かべて反応。「大好きな映画で、映画に国境はなくて、映画祭にも行かせてもらったんですけど、映画の力は本当に無限だし、いろんな人の心を温めてくれたり、言葉じゃないエネルギーや力、ポジティブなものが、映画には本当にあるんだなっていうことを一瞬一瞬感じていて、この仕事に携われて、役者という仕事をできていることにも、本当に心から感謝しています。本当にありがとうございました」と真摯に感謝を伝えていた。

◆第46回日本アカデミー賞

同賞は2022年1月1日から12月31日までに東京地区において有料で初公開された40分以上の劇場用映画及びアニメーション作品(劇場公開を目的に製作された新作で、東京地区の同一劇場で1日3回、かつ2週間以上映画館のみで連続して上映された作品)が対象。

司会は、4年連続となる羽鳥慎一アナウンサーと、2022年「花束みたいな恋をした」で初の最優秀主演女優賞を受賞した有村架純が務めた。(modelpress編集部)

◆「第46回日本アカデミー賞」受賞者・作品一覧

★マークは最優秀賞

<優秀作品賞>

・ある男★
・シン・ウルトラマン
・月の満ち欠け
・ハケンアニメ!
・流浪の月

<優秀アニメーション作品賞>

・劇場アニメーション『犬王』
・かがみの孤城
・すずめの戸締まり
・ONE PIECE FILM RED
・THE FIRST SLAM DUNK★

<優秀監督賞>

・石川慶「ある男」★
・小泉堯史「峠 最後のサムライ」
・樋口真嗣「シン・ウルトラマン」
・廣木隆一「月の満ち欠け」
・吉野耕平「ハケンアニメ!」

<優秀脚本賞>
・小泉堯史「峠 最後のサムライ」
・橋本裕志「月の満ち欠け」
・早川千絵「PLAN 75」
・政池洋佑「ハケンアニメ!」
・向井康介「ある男」★

<優秀主演男優賞>

・阿部サダヲ「死刑にいたる病」
・大泉洋「月の満ち欠け」
・妻夫木聡「ある男」★
・二宮和也「ラーゲリより愛を込めて」
・松坂桃李「流浪の月」

<優秀主演女優賞>

・岸井ゆきの「ケイコ 目を澄ませて」★
・のん「さかなのこ」
・倍賞千恵子「PLAN 75」
・広瀬すず「流浪の月」
・吉岡里帆「ハケンアニメ!」

<優秀助演男優賞>

・柄本佑「ハケンアニメ!」
・窪田正孝「ある男」★
・坂口健太郎「ヘルドッグス」
・目黒蓮「月の満ち欠け」
・横浜流星「流浪の月」

<優秀助演女優賞>

・有村架純「月の満ち欠け」
・安藤サクラ「ある男」★
・尾野真千子「ハケンアニメ!」
・清野菜名「ある男」
・清野菜名「キングダム2 遥かなる大地へ」
・永野芽郁「母性」
・松本穂香「“それ”がいる森」

※1部門受賞者5名を選出することを基本にしているが、今回の優秀助演女優賞は、同一人物が異なる2作品で選出され、次点の受賞者が得票数同数となり、受賞者6名7作品となった。なお、最優秀賞の投票は対象作品での選考となる。

<優秀撮影賞>

・市川 修/鈴木啓造「シン・ウルトラマン」★
・上田正治/北澤弘之「峠 最後のサムライ」
・近藤龍人「ある男」
・佐光朗「キングダム2 遥かなる大地へ」
・ホン・ギョンピョ「流浪の月」

<優秀照明賞>

・吉角荘介「シン・ウルトラマン」★
・山川英明「峠 最後のサムライ」
・宗賢次郎「ある男」
・加瀬弘行「キングダム2 遥かなる大地へ」
・中村裕樹「流浪の月」

<優秀音楽賞>

・池頼広「ハケンアニメ!」
・高見優(※「高」は正式には「はしごだか」)「耳をすませば」
・Cicada「ある男」
・FUKUSHIGE MARI「月の満ち欠け」
・RADWIMPS/陣内一真「すずめの戸締まり」★

<優秀美術賞>

・磯見俊裕/露木恵美子「ラーゲリより愛を込めて」
・小澤秀高「キングダム2 遥かなる大地へ」
・神田諭「ハケンアニメ!」
・林田裕至/佐久嶋依里「シン・ウルトラマン」★
・我妻弘之「ある男」

<優秀録音賞>

・小川武「ある男」★
・田中博信/山田 陽「シン・ウルトラマン」
・深田晃「月の満ち欠け」
・矢野正人「峠 最後のサムライ」
・横野一氏工「キングダム2 遥かなる大地へ」

<優秀編集賞>

・阿賀英登「峠 最後のサムライ」
・石川慶「ある男」★
・上野聡一「ハケンアニメ!」
・栗原洋平/庵野秀明「シン・ウルトラマン」
・野本稔「月の満ち欠け」

<優秀外国作品賞>

・アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
・コーダ あいのうた
・スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム
・トップガン マーヴェリック★
・RRR

<新人俳優賞 >

・小野花梨「ハケンアニメ!」
・菊池日菜子「月の満ち欠け」
・福本莉子「今夜、世界からこの恋が消えても」
・生見愛瑠「モエカレはオレンジ色」
・有岡大貴「シン・ウルトラマン」
・番家一路「サバカン SABAKAN」
・松村北斗「ホリック xxxHOLiC」
・目黒蓮「月の満ち欠け」

<話題賞>

・<作品部門>「ONE PIECE FILM RED」
・<俳優部門>松村北斗「すずめの戸締まり」「ホリック xxxHOLiC」

<協会特別賞>

・雨宮正信【カー・スタント】
・川本征平【アニメーション美術背景】
・小池直実【装飾】
・福岡康裕【キャスティングプロデューサー】

<会長功労賞>

伊藤俊也(監督)
加山雄三(俳優)
望月英樹(照明)

<会長特別賞>
恩地日出夫 (監督)1月20日没 享年88
松田寛夫 (脚本)3月24日没 享年88
河村光庸 (プロデューサー)6月11日没 享年72
石井 巌 (編集)10月28日没 享年90
大森一樹 (監督・脚本)11月12日没 享年70
崔洋一 (監督・脚本)11月27日没 享年73

<第46回特別賞>

「ONE PIECE FILM RED」 音楽チーム

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