【モデルプレス＝2022/06/12】注目のラッパー／シンガーソングライター・Novel Coreが、6月3日にKT Zepp Yokohamaにて「Novel Core 1st ONEMAN LIVE『I AM THE TROUBLE』」を開催。2ndアルバム『No Pressure』のリリースも発表した自身初となるワンマンライブの様子をレポートする。

◆Novel Core、新曲「TROUBLE」でライブ開幕

Novel Coreは「BAZOOKA!!! 第12回高校生RAP選手権」での優勝後、Zeebra主宰レーベル“GRAND MASTER”との契約を経て、完全自主制作のもとリリースしたアルバム 『WCMTW』をヒットさせ、SKY-HI主宰マネジメント／レーベル“BMSG”へ第1弾アーティストとして移籍。メジャー1stアルバム『A GREAT FOOL』では各種チャートで日本一を獲得するなど着実に結果を残し続け、その名を全国へと広げている。

そんな彼が初のバンドセットで迎えた本ライブ。爆音のSEと激しく点滅する照明でこれから始まるライブへの期待感を高めると、白いベールの奥に控えていたドラム、ギター、DJが姿を現し、会場は拍手に包まれる。満を持してNovel Coreも登場し、5月にリリースしたばかりの新曲『TROUBLE』でライブがスタート。

エッジの効いたギターと攻撃的な歌詞が特徴的なナンバーで冒頭から観客の心を掴んだ。さらに、曲中ではステージ中央から伸びたレーザーの光をNovel Coreが掴み、振り回すという特殊演出が披露され、客席から大きな拍手が上がった。

『A GREAT FOOL』では、ダイナミックなドラム、激しく奏でるギター、攻めたスクラッチを連発するDJと順に、バンドメンバーがそれぞれソロを披露し、紹介される。「そして俺がNovel Core、始めようぜ！」の掛け声とともにステージが一気に明るくなり、布をいくつも重ねたような赤い衣装を身にまとったNovel Coreの姿があらわに。「逢いたかったぜOUTER（Novel Coreのファンの総称）」と呼びかけ、2曲目にして会場には一体感が生まれていた。

『A GREAT FOOL』の披露で会場のボルテージが一気に上がると、突如スクリーンに「皆さんこんにちは、SKY-HIです」と名乗る謎のキャラクターが。「WAGAMAMAくんこと“ワガ ママ男”です」と名乗り直したそのキャラクターはNovel Coreの楽曲『WAGAMAMA MONDAIJI』のMVに登場する3Dキャラクターだ。度重なる“ワガ ママ男”の破天荒な言動に、「人のステージで勝手に遊ぶな！」とNovel Coreがすかさずツッコみを入れるという軽快なやり取りも。

“ワガ ママ男”による「お前たち本当に“WAGAMAMA MONDAIJI”やな」の曲振りでスタートした同曲。“ワガ ママ男”のわがままぶりに「ごめんね、みんな待たせちゃって」というも「その代わり端から端まで盛り上げるからついてきてくれよ」と自由にステージを飛び回り、1人1人に届けるように歌い上げた。

◆Novel Coreの強い信念

明るい曲調から一転、犬の鳴き声とともに自己紹介代わりの『DOG -freestyle-』。続けて『Satsutaba Famillia』『WIN feat. AK-69』と、ドープなトラックの楽曲をメドレーで披露。「全身筋肉痛になる準備できてますか？」の言葉の通り、彼の奏でるタイトな高速ラップに観客の体は自然と揺れ、サビでは会場が揺れるほどの激しいジャンプで盛り上げた。

「時速300キロについてこれるか？」と始まった『PANIC！ feat. SKY-HI』では、スペシャルゲストとしてSKY-HIが登場。SKY-HIは力強いラップをかまし、Novel Coreはメロディアスに歌い上げ、会場を沸かせた。

彼が15歳で路上ライブをしていた時、「俺がZeppという大きな会場を2公演、パンパンに埋めるなんて誰も予想していなかった」と話したNovel Coreだが、周りの人々から様々な批判を受けながらも、「アイデアと自分を信じぬく力だけ」を守り抜いて突き進んできた彼は、批判の目にさらされる「見たことのないもの、感じたことのないもの」こそが人をワクワクさせると信じ、「日本の音楽シーンを巻き込むような、飲み込むようなワクワクを作っていこうと思います」と改めて決意表明。

「せっかく俺たちこの世に生まれてきたんだから、人から馬鹿にされるようなバカでかい夢を見て、嫉妬されようが批判されようが、自分の人生の舵は自分で取ってこうぜ」とOUTERにメッセージを送り『Doze Off feat. SKY-HI』を、彼の中にある強い信念を確かめるように1人でパワフルに歌い上げた。

◆Novel Core、これまでの活動振り返る

この日、ステージに登場したスペシャルゲストはSKY-HIだけにとどまらない。「そういやSKY-HIさんより早く（Novel Coreに）目をつけていたラッパー、日本に1人だけいたな」とZeebraをゲストに『BOSS feat. Zeebra』を披露。高校生の時に彼を見出した師匠とも言えるZeebraのフロウに酔いしれるような様子も見せたNovel Core。曲が終わると固く握手を交わし、2人ともステージから去ると、現在までの活動の遍歴を語るインタビュー映像が映し出される。

弱冠16歳にして、日本のラップ界を牽引してきたZeebraが主宰するレーベル「GRAND MASTER」から直々に声がかかった時は嬉しかったというが、事務所に入って最初のミーティングで「最終的には他力ではなくて“自力”が求められる」とシビアな言葉をもらう。活動の基礎ができ、徐々に軌道に乗り始めたNovel Coreだったが、彼の心には“Zeebraさんのところの誰々”と評価を受けることへのモヤモヤが増幅していった。

「自分が自分として見られることのない感覚」にコンプレックスを感じていた彼は再び、事務所に入った時のZeebraの言葉を思い出す。「独立へのアクションを起こさねば」そんな使命感を胸に1からアルバムを自主制作。この出来事が結果的にBMSGへ所属する足がかりとなったという。

BMSGに所属して以降も独立的なアーティストで居続けたいというNovel Coreは、ステージ上以外にスポットライトが当たりづらい日本の音楽業界を危惧し、OUTERも含め誰一人欠けてはならないチームを表立って作っていきたい、大きくしていきたいと今後の目標を語っていた。

◆Novel Core、SKY-HIとのやり取りに爆笑「月とオオカミ」共演のFAKY・Hinaとコラボも

映像が終わると再びバンドが会場のボルテージを上げ、先ほどとは対照的に白い衣装を身にまとったNovel Coreが登場。デビューシングル『Metafiction』、自主制作したアルバム『WCMTW』から『I Think I Guess』と活動の歴史を辿る。そして、自身が2020年に出演した「月とオオカミちゃんには騙されない」から1年の節目で制作した『天気雨 feat. Hina（From FAKY）』を、シークレットゲストのHinaとともにパフォーマンス。

これまでに登場した豪華ゲストをはじめ、様々な人との出会いと別れがあったと振り返り『Right Here』『LOVE SONG feat. SG』で、OUTERとこの日出会えたことに喜びを。『Be You feat. RAU DEF』では、サビで繰り返される「Be You」のフレーズに合わせてOUTER1人1人を指差し、想いを通じ合わせる。

続いて、BMSG移籍後のメジャーデビューシングル『SOBER ROCK』を披露すると思いきや、先ほど「帰るねー」と言っていたSKY-HIが再度登場し、彼がフィーチャリングするRemixバージョンに。

「（『PANIC！ feat. SKY-HI』との間に）仕事して帰ってきたよ」「私服で来たぜ！」と、昼公演でも言っていたという冗談を交わしたSKY-HIはNovel Coreを「“コアコアコアコア”キラキラしてる」と独特の表現で絶賛。「どっちがCoreのこと愛してるか勝負しようぜ！」と観客に言い放ちステージを去ったSKY-HIに、Novel Coreは「ずいぶん強敵だよ？」と笑った。

◆Novel Core、感謝を伝える

嵐が去ったように静まった会場で、スタンドマイクを握りどんな時も信じ続け支えてくれたという母への感謝を込めた『EVE』を歌唱。『PERIOD.』でも支えてくれた人々と苦労を乗り越えてきたことを歌ったNovel Coreは、 “大親友”Aile The Shotaを呼び込み『HAPPY TEARS feat. Aile The Shota』へ。

多幸感溢れるサウンドに会場はぱっと華やかになり、涙を流す人の姿も。「会いたくてしょうがない」「親友ってこういうもん！」と話す2人の何者にも代えがたい絆を強く感じさせた。

ライブ終盤を迎え、「発表してもいい？」と切り出すと、2ndアルバム『No Pressure』を8月3日にリリースすることを発表。このアルバムについて｢このアルバムを提げて沢山ライブをやるし、このバンドを連れてフェスにも片っ端から挑戦する。関係者の皆さん、いらっしゃっていますよね？Novel Coreチームをどうぞよろしくお願いします！」と叫び、アルバムを象徴する楽曲『No Pressure』をライブで初披露した。

◆Novel Coreは「“TROUBLE”そのもの」

最後に『THANKS, ALL MY TEARS』を通じて、「人生は1本の映画」であり、それぞれが抱えている悩みや辛いことは良いエンディングを作るパーツだと改めて伝えたNovel Core。

過去の苦労、鬱屈とした感情、そして周りの人への感謝―。誰もが多かれ少なかれ抱えていても、口にすることを躊躇ってしまうようなことを全て正直にさらけ出すような彼の言葉には、観客を肯定し包み込む力を感じた。

Novel Coreが去るとともにステージは暗くなり、『THANKS, ALL MY TEARS』のインストゥルメンタルに合わせてエンドロールが。そこには『PERIOD.』で彼が歌い上げた人をはじめ、「スポットライトを当てたい」と願った彼のチームの面々が並ぶ。

まるで彼を、そして彼のチームを称えるかのように、曲に合わせた観客の手拍子は鳴り止むことを知らない。「and OUTER」「WE ARE THE TEAM.」という表示と共にエンドロールが終わり、割れんばかりの拍手が起きる中、突如Novel Coreの声が会場中に響き渡る。「当時、僕は確かにトラブルの渦中にいた。そして今、日本の音楽業界にとって僕の存在は、このチームの存在は、“TROUBLE”そのものである」と。

彼のアーティスト人生における“エピソード1”として位置づけられた今回の初ワンマンライブで、“現時点ではマイノリティーでも、それを続ければスタンダードになる”と繰り返し伝えてきたNovel Core。これからも彼は“TROUBLE”を起こし続け、多くの人を巻き込み虜にしていくことだろう。（modelpress編集部）

◆セットリスト

1. TROUBLE
2. A GREAT FOOL
3. WAGAGAMAMA MONDAIJI
4. DOG -freestyle-
5. Satsutaba Famillia
6. WIN feat. AK-69
7. PANIC！ feat. SKY-HI（ゲスト：SKY-HI）
8. Doze Off feat. SKY-HI
9. BOSS feat. Zeebra（ゲスト：Zeebra）
10. Metafiction
11. I Think I Guess
12. 天気雨 feat. Hina （from FAKY）（ゲスト：Hina）
13. Right Here
14. LOVE SONG feat. SG
15. Be You feat. RAU DEF
16. SOBER ROCK -Remix-feat. SKY-HI（ゲスト：SKY-HI）
17. EVE
18. PERIOD.
19. HAPPY TEARS feat. Aile The Shota（ゲスト：Aile The Shota）
20. No Pressure
21. THANKS, ALL MY TEARS

◆出演ゲスト一覧（出演順）

SKY-HI、Zeebra 、Hina（FAKY）、Aile The Shota

【Not Sponsored 記事】