King Gnu、 デビュー1年目で音楽業界を激震させた2019年を振り返る【2019年末特集】


【モデルプレス=2019/12/31】今年突如として現れ、日本の音楽シーンに激震を与えたといっても過言でもない、トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイルバンドのKing Gnu。その独自のスタイルが若者を中心に夢中にさせ、デビュー1年目にして、大みそか恒例「第70回NHK紅白歌合戦」に初出場という驚異的なスピードで飛躍。そんな彼らが脚光を浴びた1年を振り返る。

King Gnu(提供写真)
King Gnu(提供写真)
◆King Gnu、めまぐるしい2019年の活躍ぶり

東京藝術大学出身の常田大希(Gt.Vo.)を筆頭に、2015年Srv.Vinci(サーバ・ヴィンチ)として活動をスタート。2017年にメンバーチェンジを経て、常田と幼馴染みで東京藝術大学出身の井口理(Vo.Key.)と、勢喜遊(Drs.Sampler)、新井和輝(Ba.)の4人体制となり、アメリカの世界最大の音楽フェス「SXSW」「Japan Nite US Tour」への出演を果たす。

同年4月に“トーキョー・ニュー・ミクスチャー・スタイルバンド”と称してKing Gnuと改名し、新たな音楽スタイルを確立する。“Gnu”は春になると巨大な群れをなす動物のこと。それをイメージし、自分たちも、老若男女問わず、人を巻き込み、大きな群れになりたいという意味がグループ名に込められている。

今年に入ると一気に勢いを加速させ、1月にアルバム「Sympa」でメジャーデビュー。リリースして間もなくチャート上位に登場して注目される。同作は、TBS「第61回 輝く!日本レコード大賞」の「優秀アルバム賞」を受賞した。

2月にはドラマ「イノセンス 冤罪弁護士」(日本テレビ系)の主題歌「白日」を配信リリース。これが、彼らの転機となり、バンド最大のヒット曲となる。ストリーミング総再生回数、YouTubeの再生回数ともに1億回を突破。各ストリーミングの年間チャートで上位を軒並み席巻するなど、今年の代表曲といっても過言ではない。

3月には、井口がニッポン放送「King Gnu井口理のオールナイトニッポン0」(毎週木曜日27時~28時30分)のパーソナリティに抜擢され、その愛されるキャラクターで活躍の幅を広げる。

今夏は「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」「SUMMER SONIC 2019」などの大型音楽フェスに登場して各地を沸かせ、その後「飛行艇」「傘」など多数の楽曲がCMで起用された。

11月にはヨーロッパ最大級の音楽アワード「MTV EMA 2019」にて、King Gnuが世界に誇る日本のベストアーティスト「BEST JAPAN ACT」を受賞。そして、同月14日に大みそか恒例の「第70回 NHK紅白歌合戦」に初出場が決定。紅白の選考でも、「白日」のヒットが評されていた。

◆“鬼才の音楽家”常田大希のプロデュース力の高さ

King Gnuの楽曲は、すべて常田が作詞・作曲を担当している。大学時代にチェロ専攻だった常田は、チェロ奏者という顔も持つ。指揮者の小澤征爾が主宰する小澤国際室内楽アカデミーにチェロ奏者として在籍した経歴もある。

これまで、常田はアメリカ版「Pokemon」、アニメ「血界戦線」、映画「リバーズ・エッジ」などの作品に、チェロやギターで参加したほか、ファッションフィルムの楽曲提供するなど、活動は多岐に渡る。

今年からソロプロジェクト「millennium parade(読み:ミレニアム・パレード)」も始動した。こちらのライブでは、3D眼鏡をかけてライブを楽しめるように、映像を使った新たなエンターテイメントの仕掛けづくりにもチャレンジしている。

また、クリエイティヴ・レーベル「PERIMETRON(読み:ペリメトロン)」の主宰として、デザイナーの佐々木集、映像作家のOSRINらとともに、King GnuのほとんどのアートワークやMVを手掛けているのだ。

このように常田は音楽を追求するだけでなく、アートへの強いこだわりや感性の高さを誇る。バンドとして“個”の世界観を成立させているのは、音楽やアートに貪欲な常田がプロデュースを包括しているからだろう。

例えば、YouTubeにて公開したオフィシャルオーディオの「傘」は、ジャケットアートワークに動きをつけて、ストーリーが描かれるものを発信した。こういったところからも新たな風を巻き起こすパワーを感じる。

◆King Gnu、独自のスタイルを貫く楽曲の魅力

King Gnuの楽曲は、ジャズ、R&B、ヒップホップ、クラシックなどのジャンルの垣根を超えて融合した音楽から生み出し、彼ら独自のスタイルを築いている。そのなかでも、聴きやすくポップスとして成立させるメロディラインが、音楽好きのみならず多くの人に響きわたるのだろう。

特に、King Gnuという存在の象徴ともいえるのが「Slumberland」。独特なアートデザインが施された拡声器で声にエフェクトをかけて歌う常田の姿に、心を奪われた人も多いのではないだろうか。同曲は、重なるコーラスによって惹き込まれるスリリングで、壮大なメロディに中毒性がある。そんな斬新なスタイルを披露し、音楽シーンに新しい風を吹かせた。

このバンドで、もう1つ特徴的なのが、ヒット曲「白日」にあるような美しさを追求した楽曲だ。ファンの間で人気の「the hole」のように、スケールの大きな音楽のなかで、聴きやすく、歌いたくなるようなメロディが展開されるところ。それこそ、King Gnuの表と裏のような、“スリリング”と”美麗“の別軸を兼ね揃えていると感じる。

そんな楽曲たちを、井口の透きとおるような儚い声と、常田の男らしさのある声がミックスして、絶妙な相性で彩る。ふだんムードメーカーな井口が、舞台に立つとキーボードを弾きながら、真剣な顔つきで歌う表情も印象的だ。

このほか、「Flash!!!」「飛行艇」などに現れているのが、新井のブラックミュージックをルーツに感じるような、うねらせるベース。魅せるように観客がノリやすいようにビートを刻む勢喜のドラムと、リズム隊の技術の高さも光る。

そんな4人のパフォーマンスは、人々を熱狂させ、今やチケットが取れないと嘆くファンも多い。モデルプレスでは、11月に取材を行ったが「バズリズム LIVE 2019」でのKing Gnuのパフォーマンスの盛り上がりは、まさに今の彼らの勢いを物語っているようだった。

◆King Gnu、2020年さらなる飛躍なるか

2020年には、1月15日にアルバム「CEREMONY」を発売。これに先がけ配信された収録曲「Teenager Forever」は、かねてよりライブでも人気曲であったが、CM起用をきっかけに初音源化されたことから、リリース時にはTwitterにタイトルがトレンド入り。いまや彼らが曲を発表するたび、世間が注目するほど、夢中にさせているのだ。

同アルバムを引っさげて、初のアリーナ公演を含む全国ツアー「King Gnu Live Tour 2020“CEREMONY”」も開催される。

また、2月21日に公開される、俳優の千葉雄大が主演を務める映画「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の主題歌に、書き下ろした新曲「どろん」が抜擢。

さらに、モデルプレスが毎年独自に行っている「ヒット予測」においても、読者からの支持を集め、アーティスト部門にKing Gnuが選出された。

いよいよ今夜紅白に出場する彼ら。その勢いは、2020年もとどまることを知らず、続いていくことだろう。(modelpress編集部)

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