奈良遺産70
奈良遺産70

奈良遺産70

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奈良のピラミッド 頭塔

国指定史跡で奈良時代建造の土製の塔。一辺32メートルの基壇に、表面が石で覆われた7段に盛られる形状は非常に珍しい。仏塔とみられるが東大寺の僧玄昉の首塚との伝承が名の由来。767年、東大寺の僧実忠が同寺別当の良弁の命で造ったとされる。北側半分は発掘調査などを経て復元された一方、南側は未整備のまま。不思議なピラミッドが住宅地にそびえ立つ。


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天之石立神社の一刀石

まっぷたつに割れた巨岩。剣術の達人柳生宗厳が剣術新陰流創始者の上泉信綱に弟子入りし、3年間この地で毎夜天狗を相手に剣術修行したという。ある夜、天狗を切ったと思いきやこの岩で、岩面には天狗の足跡が残っていたという。宗厳は柳生新陰流の始祖となった。現在は柳生新陰流を継承しようと古文書研究や稽古会が行われている。


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三宅古墳群

三宅町と田原本町、川西町にまたがる小規模の前方後円墳からなる。5世紀後半から6世紀前半のもの。奈良盆地中央部の低湿地に小規模な古墳群が存在するのは全国的に珍しい。古墳は住宅や農地に隣接し子どもたちの遊び場など住民の生活と密接に関わり合っている。三宅町は古墳群を整備して観光資源として活用する方針を示している。

※場所は、三宅古墳群のうちの1つを設定しています。



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天空の城 高取城址

南北朝時代に築かれ本格的に整備されたのは戦国期。豊臣秀長が郡山城主になった際に重臣の本多氏が築いた。本丸に天守閣を備え、多数の櫓を備えた本格的な要塞。江戸期には高取藩庁として存続し、明治6年に廃城になるまで使われ続けた。日本三大山城の1つ。最近、宮崎駿映画「天空の城ラピュタ」の世界観に通じると人気が高まっている。


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お茶とともに歩む(仏隆寺)

729年、聖武天皇の時代にお茶が供えられた記録がある。茶樹の栽培は806年に弘法大師が唐から種子を持ち帰り、弟子の堅恵大徳が宇陀市榛原赤埴の佛隆寺に製法を伝えたのが大和茶のはじめといわれる。同寺には大師が唐から持ち帰ったとされる茶臼が残る。生駒市高山町の茶筅は生産量日本一だ。奈良の歴史は日本の茶文化の歴史だ。


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ニホンオオカミの像

絶滅したといわれるニホンオオカミ。明治38年、東吉野村で捕らえられた若いオスが国内で最後の捕獲となった。その標本は、採集した地名鷲家口からニホン・ホンド・ワシカグチと記録される。日本最後のニホンオオカミをモデルとして造られた等身大のブロンズ像は、かつて台高の山野を咆哮した雄姿をとどめ、自然愛護の願いが込められている。


各スポットの番号は「奈良遺産70」冊子と連動しております。

情報提供:奈良新聞社




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