奈良遺産70
奈良遺産70

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春日はくたくうどん(大和風料理 永楽)

うどんのルーツといわれる。平安時代の貴族が記した「小右記」には一条天皇が春日社に行幸した際にふるまわれたとされる。鎌倉時代の料理書をもとにNPO法人「奈良の食文化研究会」がもっちりした食感の平麺を再現。小麦粉や米粉、ヤマイモで作った生地を幅広の麺に仕上げた。奈良市飲食店組合を通じて商品化も考えられている。


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奈良の茶粥(塔の茶屋)

「おかいさん」の愛称で親しまれている。「古事類苑」には「大和の国は農家で一日に4、5度食する」とあり、東大寺二月堂のお水取りの期間中、練行僧の食事にも出される。奈良県の一般家庭では木綿の茶袋に焙じた粉茶を入れ、冷やご飯で炊くことが多かった。地域によってはおかきや餅、野菜を入れる。現在は常食する家庭は少なくなった。

※場所は茶粥が食べられる1店舗「塔の茶屋」(※定休火曜日(祝日の場合翌日休み))を紹介しています。



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きなこ雑煮

雑煮の餅をきなこにつける奈良独自の食べ方。発祥は諸説あるが、きなこの色が稲穂や金を連想させ幸せや豊作を祈願した。頭芋は人の頭、豆腐は白壁の蔵、コンニャクは土蔵の象徴で、蔵が建つようにと四角く切る。丸く1年が過ごせるように丸餅を入れ、ダイコンやニンジンは輪切りにする。1つのお椀に家族の健康と子孫繁栄の祈りを込めた。

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奈良漬けサブレ(山崎屋)

奈良漬の酒粕に由来する健康に役立つ成分と酒粕の塩分や甘味、独特の風味を最大限いかした焼き菓子。奈良女子大学が研究し民間企業と共同開発した。奈良漬のアルコール分は焼く際に蒸発するので奈良漬の苦手な人や子どもでも美味しく食べられる。女子大生の感性でおいしくおしゃれに作られた奈良の新しいスイーツとして期待される。


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古代ひしお(なら泉 勇齋)

古代中国で穀物を原料とする発酵塩蔵食品「穀醤(こくびしお)」が飛鳥時代に伝来し、しょう油のルーツとなる。6世紀中頃の中国の史料に、大豆に麹を加えるしょう油製造とほぼ同様の工程の記述があり、その穀醤を現在の技術と日本の風土に合うよう再現したのが古代ひしおだ。奈良時代には日本人の味覚「うま味」が確立したとされる。


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奈良のお酒

奈良は清酒発祥の地。大神神社は酒の神大物主大神が祀られ全国の酒造家の信仰を集める。平城京跡からは清酒や白酒などさまざまな酒を記した木簡が出土。大寺院がある奈良では荘園で作られた米で僧坊酒と呼ばれる酒が盛んに造られた。奈良市の正暦寺は室町時代の最盛期に大量の僧坊酒を造り、その技術は日本中に伝わったとされる。

※場所は奈良のお酒の品種が多数揃えられている1店舗「なら泉 勇齋」を設定しています。



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レインボーラムネ(イコマ製菓本舗)

幻のラムネといわれる。1袋900グラムが500円。ピンク、黄、白、青の4色。軽やかな酸味が特徴で後味もさわやか。口に含むとすっと溶けて後を引くおいしさだ。購入は申込制。毎年3月と9月の抽選では約2万人の応募に対し約1000人しか当選しない狭き門だ。品質にこだわるため大量生産ができないという。全国から注目を集める。

※購入は期間限定のため、事前にお問い合わせ下さい。



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御城之口餅(本家菊屋 本店)

豊臣秀吉の弟秀長が、秀吉をもてなす茶会で提供する菓子作りを命じたのが始め。粒あんをもちで包みきなこをまぶした菓子を献上したところ秀吉は大変気に入り、「鶯餅」と命名したとされ、鶯餅の原型との説もある。店が城の門外に移り町人街の1軒目にあることから付いた名称だという。大和郡山市民の贈り物の定番。冷凍便も好評だ。


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天理ラーメン

ダシはトンコツと鶏ガラがベースでしょう油タレを使う。具は、炒めた白菜や豚肉、ニラなどを使用した辛くて濃厚なこってりラーメン。全国から集まる天理教の信者や地元天理大学の学生向けに作られた中華料理をもとに考案されたといわれ、始めは屋台だった。高カロリーと分かっていながらつい食べてしまう奈良県民のソウルフードだ。

彩華ラーメン
(※屋台 営業時間16:30 - 1:00頃)

天理スタミナラーメン
(※屋台 営業時間18:00 - 0:00頃)


各スポットの番号は「奈良遺産70」冊子と連動しております。

情報提供:奈良新聞社




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