奈良遺産70
奈良遺産70

奈良遺産70

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奈良少年刑務所

明治41年に旧奈良監獄として建設された。レンガ造りでドーム屋根の円塔を持つ表門や放射状に並んだ収容棟など日本の近代化を象徴する建物。現存する刑務所では日本最古で、江戸時代の牢獄も一部残る。平成29年3月で閉鎖される。法務省は、地元や専門家の保存要望を受け、運営権を民間に売却しホテルや博物館として再利用を目指す。


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奈良女子大学記念館

女性教員の養成を目的に設立された奈良女子高等師範学校が前身。本館(現記念館)と守衛室、正門が重要文化財に指定。設計は京都帝国大学建築部長の山本治兵衛が中心的役割を果たす。本館は左右対称形の木造2階建、瓦屋根の中央に小塔がある。外壁は真壁造で縦長の窓を並べた意匠。地元の人々から「ならじょ」と親しまれる同大の象徴。


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JR奈良駅旧駅舎

昭和9年竣工。和洋折衷の外観と内装が特徴。方形屋根に寺院風の九輪をのせ、四隅には風鐸、内部中央には大仏殿に見られる格天井が施され、宝相華や忍冬唐草文様など古代文様の飾りも美しい。新駅建設の際、保存のため解体せずに移設する曳家工事を採用。駅舎を反時計周りに13度回転し、北東へ約18メートル移動させた。現在は奈良市総合観光案内所。


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日本初の公開図書館 芸亭

奈良時代末期の貴族で文人の石上宅嗣(いそのかみやかつぐ)が自宅の一角に開いた日本最古の公開図書館。資料の閲覧希望者には閲覧を許したとされる。建物は現存はしていないが芸亭があったとされる場所(現在の奈良市立一条高校敷地の東側)には記念碑(顕彰柱)と説明板が立つ。県内でも図書館関係者以外には知られていない。


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生駒山上遊園地の飛行塔

高さ30メートルからワイヤーでつるされた飛行機型ゴンドラが回転する。開園した昭和4年に目玉アトラクションとして建設され、ほぼ当時のままの形で稼動している。現存する日本最古の大型遊具だ。標高642メートルの生駒山頂から大阪平野や大和盆地、山城盆地が一望でき、初日の出や夜景を眺める絶好のスポット。奈良の若者のデートコースとしても人気が高い。


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長谷寺の長い登廊

仁王門から本堂に至る登廊で399段ある。長谷寺験記によると平安時代、春日大社宮司の息子が長谷観音の霊験により病気平癒し、喜んだ宮司が10日間で登廊を建立寄進したと記す。明治の火災で下から上がってきた火勢を中登廊を壊して消し止めたという。明治時代に下・中登廊が再建された。5月の連休には華やかな牡丹の花が見頃を迎える。


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谷瀬の吊り橋

昭和29年に建設された。長さ297.7メートル、川面からの高さ54メートルで生活道の吊り橋としては日本一の長さを誇る。谷瀬の人々は、この吊り橋ができるまでは川に丸木橋を架けて往来していたが、洪水のたびに流されるため、1戸あたり20万円という当時としては大金を供出し建設した。今では村の観光名所として大勢の観光客が訪れる。


各スポットの番号は「奈良遺産70」冊子と連動しております。

情報提供:奈良新聞社




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