佐々木希、6年ぶり舞台出演決定 桐谷健太らと伝説の映画「醉いどれ天使」を舞台化


【モデルプレス=2021/03/17】桐谷健太、高橋克典、佐々木希、高嶋政宏が、2021年9月に明治座、10月に新歌舞伎座にて上演される舞台『醉いどれ天使』に出演することが決定した。

桐谷健太、高橋克典、佐々木希、高嶋政宏(提供写真)
桐谷健太、高橋克典、佐々木希、高嶋政宏(提供写真)
◆「醉いどれ天使」とは

日本をはじめ世界中に大きな影響を与えた名匠・黒澤明さんと、その多くの作品で主演を務めた三船敏郎さん。後に次々と傑作を生み出すことになる二人が初めてタッグを組んだ映画が「醉いどれ天使」。この秋、日本映画史上最強コンビの原点ともいえる作品が、満を持して舞台に蘇る。

戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤をいきいきと描いた映画「醉いどれ天使」。黒澤さんによる力強く斬新な世界観と三船さんの荒々しくも繊細な演技が絶賛され、今なお名作として世界中で愛されている。映画史に燦然と輝く今作だが、実は舞台化されるのは今回が初めてではない。映画が公開された1948年4月から約半年後、ほぼ同じキャストとスタッフが集結し、舞台作品として上演されたという記録が残っている。当時の映画界では、大規模な労働運動が起こり、多くのスタッフや俳優達が窮状に陥っていた。彼らを救うために黒澤さんを中心に劇団が編成され、全国巡業が催されたと言われている。この時、上演作品に選ばれたのが「醉いどれ天使」だった。

近年、偶然にも三船プロダクションが長年眠っていた舞台台本を発見。舞台台本からは、黒澤さんが逆境をはねのけ、映画同様、舞台としても最高の作品を創り出そうとしたことが伝わってくる。色あせることのない普遍性を持ち、今を生きる私たちにも強く訴えてくるメッセージ。この黒澤さんの想いを受け継ぎたいと舞台化へと動き出した。

今も傑作として語られる映画版と今や幻となった舞台版。混沌とした現代に上演する意味を受け止め、それぞれの作品が持つ魅力を引き継ぎながら、2021年の舞台版、新生『醉いどれ天使』は誕生する。

『醉いどれ天使』が描くのは、闇市を支配する若いやくざ・松永と、酒好きで毒舌な貧乏医師・真田のぶつかり合い。結核に侵されている松永を何とか生かそうとする真田。自暴自棄に己を通そうとする松永。映画で黒澤さんは、松永を演じた三船さんの野獣のようなエネルギーに魅了されて、松永と志村喬さん演じる真田の対峙を物語の中心に据える変更を加えたそうだが、今回の舞台ではふたりのその熱量をさらに高めていく。また、映画でも印象的なダンスシーンをはじめ、ライブならではのフィジカルでエネルギッシュな表現も満載。戦後の人々が命を燃やすように生きる姿を描き出す。

◆桐谷健太・高橋克典・佐々木希・高嶋政宏が出演

キャストにはこれ以上ない顔ぶれが揃った。三船さんが演じた松永に挑むのは桐谷。男臭くまっすぐなイメージが、松永にも三船さんにもすんなり重なる。真田役には高橋。歳を重ねて、なお醸し出すその天性の不良っぽさで、松永に対して対等にぶつかろうとする新しい真田像を生み出す。松永と同郷で彼に思いを寄せるぎんを演じるのは佐々木。松永を見守る芯の強い女性を演じて、今作ならではとなるラブストーリーを盛り上げる。そして、松永の兄貴分・岡田を演じるのは高嶋。立ち姿だけで周囲を震え上がらせるような存在感で、より物語に厚みを与える。

約6年ぶりの舞台出演となる佐々木は、オファーが届いたとき「正直怖さもあり悩みました」と率直な心境を明かし、「気さくながらも真っ直ぐに松永を支え寄り添う“ぎん”という女性が愛おしく、そんな女性を演じる事が今から楽しみで仕方ないです」と意気込んだ。

桐谷も「この時代の漢を演じ、生きることは、とてつもないパワーとエネルギーが必要です。無事に生きて帰れるか分からないですが(笑)、全力で入り込んでいきます」、高橋も「三池監督の世界観で“人間味の溢れる男たちの葛藤”をどう演じていくのか今後始まる稽古を楽しみに台本と向き合っています」などと意気込みコメントを寄せた。

◆三池崇史が演出担当

三船敏郎&志村喬&黒澤明ショット(提供:三船プロダクション)
三船敏郎&志村喬&黒澤明ショット(提供:三船プロダクション)
演出にあたるのは、黒澤さん同様海外での評価も高い三池崇史。バイオレンスからコメディ、最近では特撮テレビドラマ「ガールズ×戦士シリーズ」まで、多岐にわたる映像制作を続けている三池は、『夜叉ヶ池』(2004年)、『座頭市』(2007年)、六本木歌舞伎シリーズと、舞台演出も手がけてきた。黒澤映画の舞台化という挑戦にはまさにうってつけ。三池独自の手腕が舞台の世界に新風を吹き込む。

映画畑の三池に対し、脚本を手掛けるのは、演劇界のみならず映画脚本、映像作品にも活躍の場を広げている蓬莱竜太。骨太な物語を生み出し人間を深く描き出すその力が、黒澤作品をさらに跳躍させていく。

言ってみれば戦後と同じように先の見えない時代の真っ只中にあるいま。不器用ながらも明日に向かって歩みを進めようとする登場人物達が何を届けてくれるのか。現代に生きる我々に問う、衝撃の話題作となる。(modelpress編集部)

◆あらすじ

ある夜、ピストルの傷の手当てを受けに、闇市の顔役の松永(桐谷健太)が真田(高橋克典)の元へやってくる。

真田は闇市の界隈に住む人々を診る町医者で、酒が好きで口は悪いが、心根は優しく一流の腕の持ち主。顔色が悪く咳込む松永を一目見て肺病に侵されていると判断し治療を勧めるが、松永は言うことを聞かずに診療所を飛び出し、闇市の居酒屋で働く同郷の幼馴染ぎん(佐々木希)の元へと向かう。

戦後の混乱の中、松永の采配によって落ち着きを保っていた闇市だったが、松永の兄貴分の岡田(高嶋政宏)が出所し、闇の世界の力関係に変化が起きていくのであった…

◆脚本:蓬莱竜太コメント

戦後の闇市に流れる『どこに向かうのか』という空気は、質は違えど今この時代に強く感じることがあります。若くしてどう生きるのかという問題に直面した主人公のもがき苦しむ姿は、僕たちに向けられた応援歌ではないかと。そう思って、新たな気持ちで執筆させてもらいました。

◆演出:三池崇史コメント

冬の曇天。わずかな雲の隙間から差し込む陽の暖かさに触れ、幸せを感じたことはありませんか?「明日は晴れるかな」という小さな灯りが見えるだけで人の心は癒され、生きる喜びを感じる。『醉いどれ天使』はそういう芝居です。マスク越しの呼吸にも少し慣れてきた今、凍えた体と心を暖めに来て下さい。劇場で小さな陽だまりを作ってお待ちしています。

◆桐谷健太コメント

醉いどれ天使、、、黒澤明監督と、新人で初主演だった三船敏郎さんの黄金タッグ。東京に出てきて間もない頃、色んな人に目がギラついてるねと言われたあの頃、ひとりのおっちゃんに『お前の眼光は往年の三船敏郎みたいやな』と言われ、ちょっぴり嬉しく想ったことを覚えています。そこから時も経ち、こうして三池監督とタッグを組めることを、嬉しく、本当にありがたく想います。戦後の闇市で不器用ながらも情の深い漢たち。この時代の漢を演じ、生きることは、とてつもないパワーとエネルギーが必要です。無事に生きて帰れるか分からないですが(笑)、全力で入り込んでいきます。見届けていただけたら幸いです。

◆高橋克典コメント

4年ぶりに舞台に出演することとなり、嬉しさや怖さも含めて楽しみです。そして日本映画史に残る黒澤明監督「醉いどれ天使」という作品の舞台に参加させて頂けることが光栄です。今回演出の三池監督とは映画「サラリーマン金太郎」以来にご一緒させて頂けることも嬉しく、三池監督の世界観で“人間味の溢れる男たちの葛藤”をどう演じていくのか今後始まる稽古を楽しみに台本と向き合っています。また桐谷健太君とはがっつりと共演したことがないので、こちらも楽しみであり一緒に素晴らしい作品を作り上げていきたいと思っております。

◆佐々木希コメント

今回『醉いどれ天使』の舞台のお話を頂いた時は、本当に驚きました。舞台の出演が約6年ぶりでしたので、正直怖さもあり悩みました。ですが、台本を読ませていただき、人間の綺麗な部分だけを描いているのではなく、もがきや葛藤する姿など人間味溢れる人々の物語にとても引き込まれました。それと同時に、この世界を三池さんがどのように演出してくださるのだろう…と考えると楽しみに変わり、自然と参加させていただきたいという気持ちが高まっていきました。気さくながらも真っ直ぐに松永を支え寄り添う"ぎん"という女性が愛おしく、そんな女性を演じる事が今から楽しみで仕方ないです。

◆高嶋政宏コメント

僕がもっとも敬愛する映画の神様のおふたり、黒澤監督と三船敏郎さん。この世界を仰天させた空前絶後のゴールデンコンビの大進撃の始まりの記念すべき作品「醉いどれ天使」。この作品の舞台化へのオファーを頂いた時、喜びのあまり、思わず家で叫んでしまったことは言うまでもありません。僕が初めて観たのは高校生の頃。当時、VHSが擦り切れそうになるほど何度も何度も観ました。あの衝撃はいまだに忘れません。その衝撃の作品の舞台化に出られるなんて!と今から興奮してはいますが、冷静に、そして、この興奮のエネルギーはそのままにお客さんが楽しんでもらえる舞台になるよう精進します。

【Not Sponsored 記事】

スゴ得限定コンテンツ

動画コンテンツ

マイページに追加