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Graduation Project ~第0章~(2/5)
「だよねぇ。卒業制作なんていったら、ティンカーちゃん、マジマジドマジに張り切りそうだし」
「だろ? それが今になっても何も言ってきやがらねぇってことは!」
「ことは~?」
「ズバリッ! 忘れちまってるってこった!」
ババン! といった効果音でもつきそうな勢いで、天十郎は断言した。
「――なるほど。忘れているのなら仕方ない。よくある話だ」
「ちょちょちょーっと待ってよ。チィちゃんならよくある話ですむかもしれないけどさ。あのティンカーちゃんがそんな大事なことを忘れちゃうなんて、これってかなりの一大事じゃない?」
「む~ん。つまり、センセーはそれだけお疲れサマーってことナリね」
「そゆこと。それじゃここは、O・T・O。オレがティンカーちゃんに教えてくるよ。ンフ」
「あー! ピーちゃん、ずるいナリ! 自分だけセンセーから、感謝感激アメとあられをパクパクしようとしてますな!」
「ドキッ! Y・I・S。やっくん、いつになく鋭いね」
「ぬけがけは許しませんぞ! センセーに教えてあげて、ぎゅぎゅぎゅ~っと感謝のハグハグをされるのは、ぼくだピョン!」
「……そういうことなら、話は別だ。面倒だが、先生には俺が伝えよう」
「えぇ~!? M・C・S、まさかのチィちゃん参戦的な? となると、オレも負けちゃいられないよね~」
「やっくんダーッシュッ! 早い者勝ちだピョン!」
「おい、多智花! 抜け駆けするな!」
「おーっと! スピード勝負なら負けないからね!」
バタバタと三人がアホサイユの扉へ向かって駆け出した瞬間――
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