生活費は収入の何割かけてよい?

福一 由紀
福一 由紀

生活費として、収入からいくらを使う?ベストな割合とは?

家計を考える上で、最初に出てくるのが「生活費としていくら使っていいの?」という疑問。 「あるだけ使う」という姿勢は言語道断ですが、「できるだけ使わない」というのも生活に潤いがないものです。ということで、今回は「生活費としていくら使ってもいいか」を考えるためのヒントをご紹介しましょう。
 

まずは自分の可処分所得を調べよう

収入と一言で言っても、全て使えるお金ではないですね。まずは、税金(所得税、住民税)や社会保険(年金、健康保険、雇用保険など)を考えないといけません。これらは、必ず徴収されるお金です。総収入から税金や社会保険料を引いておきましょう。これがいわゆる「手取り収入」。「可処分所得」と言われています。計算式は以下になります。

「可処分所得=年収-(所得税+住民税+社会保険料)」

所得税や住民税、社会保険料は源泉徴収票などを調べればわかります。とはいっても、すぐに調べることは難しいですね。

総務省「家計調査」によると、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均データ(2020年)は「1カ月平均実収入:60万9535円、税金・社会保険料などの非消費支出:11万896円、可処分所得:49万8639円」となっており、可処分所得は年収の約82%となっています。可処分所得は年収の8割と考えておきましょう。
 

使えるお金=可処分所得-貯蓄

総収入の8割が「可処分所得(手取り収入)」として手元に残ります。これが、自由に使えるお金となります。次に、ここから貯蓄にまわすお金を考えましょう。イザという時のため、将来の夢や老後の生活などのために、必ず貯蓄をする必要があります。

「残ったお金を貯金……」といった姿勢では、なかなか貯蓄は増えません。「まず貯蓄! 残りのお金を使う……」が基本です。では、いくら貯蓄にまわせばいいのでしょうか?

2人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均データ(2020年)を見てみると、可処分所得1カ月49万8639円のうち、17万8194円を貯蓄にまわしています。手取り収入の35.7%にあたる額ですね。 とはいっても、ファミリースタイルによって家計事情はさまざま。

次に、ファミリースタイル別の貯蓄率・生活費の目標を見てみましょう。
 

年代別可処分所得・貯蓄率一覧(月平均)

2人以上の世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢別、1か月の収支と貯蓄の平均データ。年齢によって貯蓄率が大きく変わっている (出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年」)

2人以上の世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢別、1カ月の収支と貯蓄の平均データ。年齢によって貯蓄率が大きく変わっている (出典:総務省「家計調査年報(家計収支編)2020年」)


上の表は、2人以上の世帯のうち勤労者世帯の世帯主の年齢階層別の1カ月の収入と貯蓄金額、貯蓄率の表です(世帯主、配偶者あわせた世帯全体の収入、貯蓄)。

貯蓄率というのは、可処分所得の中の貯蓄の割合。この貯蓄率に注目して、子どもの成長に伴いどのように変化するかを見てみましょう。

この貯蓄には預貯金の他...

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